経管栄養の準備物品が分からない
経管栄養をつなぐときの一連の流れを知りたい
この記事は、このような方に読んでもらいたいです。
どうも、2年目ナースのよんくれです!
私が1年目の頃、経管栄養をつなぐ際の一連の流れがなかなか覚えられずに苦労しました、、、
先輩にも「経管栄養はつなぐだけやん」と言われたのですが、実際は栄養をつなぐ際にいくつかの手順が必要です。
その手順を忘れて、先輩に怒られるというのは日々のルーティーンです(笑)
「栄養をつなぐだけなら楽なのになぁ~」と何回思ったことか。
経管栄養の一連の流れ
経管栄養の一連の流れは以下の通りです。
- 物品準備
- 患者の体位を整える
- 口腔ケア、吸引
- 血糖測定、インスリン注射(必要時)
- 胃泡音確認、胃残の確認
- 栄養剤とチューブをつなぎ、投与
- 栄養を投与後、内服薬を投与
- 患者の体勢を整える
- 片付け
経管栄養をつなぐことは簡単なのですが、それ以外にこれだけの手順があります。
そりゃ1年目は覚えるのに苦労しますよね、、、
次に、これらを具体的に紹介します。
準備物品
経管栄養を投与する際の準備物品は以下の通りです。
- 栄養剤
- 注入ボトル(必要時)
- 接続用のライン
- 栄養用のシリンジ小、大を各1個づつ
- メモリ付きコップ大、小を各1個づつ
- 聴診器
- 薬剤粉砕容器(必要時)
- 栄養用ポンプ(必要時)
栄養剤には、パックをそのまま接続ラインにつなげて患者に投与できるものと、ボトルに移し替えてから投与するものがあります。
そのため、注入ボトルは必ず必要ではありません。
栄養用のシリンジは、EDチューブなどの先端とつなぐことができる特別なシリンジです。
私はシリンジ小で薬剤を吸い上げて患者に投与しており、シリンジ大で患者の胃残を確認しています。(胃残は患者によって多量に吸い上げることができるので、大きいシリンジを使用しています。)
メモリ付きコップ小は、薬剤を白湯と溶かすために使用します。もし、錠剤があれば薬剤粉砕容器で粉砕してから白湯で溶かしましょう。
メモリ付きコップ大は、白湯を貯めておき栄養投与が終わった後や薬剤を投与した後に流すことで管内をきれいにします。
聴診器は、胃泡音を確認するために使用します。
患者の体位を整える
基本的に、ギャッチアップが可能な患者であればギャッジアップを行います。
ナーシングスキルでは、30~45度の上半身挙上を推奨しています。
そうすることで、嘔吐など胃の中に入ったものが逆流して気管内に流れ込むこと(誤嚥)を予防できます。
気管内に流れ込んでしまうと肺炎となってしまうので注意が必要です。
上級者は、クッションを使用して良肢位を取れるよう体位をさらに調整します!
(良肢位とは、体が一番リラックスできる体勢のこと)
口腔ケア
体位を整えたら、次は口腔ケアを行います。
「口腔ケアは注入を終わった後じゃないの?」と思った方!私も1年目の頃は思っていました。
しかし、口腔ケアは栄養をつなぐ前に行います。
詳しくはこちらの記事にまとめているのでよかったら読んでみてください。
重症な患者さんなどは、挿管などもされていて痰も多いため吸引も一緒に行いましょう!
血糖測定、インスリン注射
これに関しては、患者によります。
急性期では、血糖コントロールが感染などに関わってくるため測定指示が多いですが一般病棟などでは血糖測定までしていない患者も多くいます。
胃泡音の確認、胃残の測定
注入をつなぐ前には、必ず胃泡音の確認と胃残の測定は行いましょう。
胃泡音を確認する理由は、チューブが胃に入っていることを確認するためです。
万が一、肺に入ってしまっていることに気づかず栄養を投与すると、気管内に栄養が流れ込み肺炎となってしまいます。
胃泡音の確認方法は、シリンジに空気を入れて患者のチューブにつなぎ、聴診器を心窩部にあててシリンジの空気を患者に投与します。すると、お腹から「ポコポコ」という音があれば胃にチューブが入っている証拠です。
- チューブ先端が胃より先の部分に留置されている場合は胃泡音は聞こえません。
胃残を確認する理由は、消化がうまくできているか確認するためです。
重症患者では、循環動態が悪いため消化管活動が低下し、栄養を吸収することが難しくなります。
すると、前回投与した栄養がまだ胃の中に残っていることもあります。
そこに、さらに栄養を投与するのはマズイですよね。
私の病棟では、250ml以上胃残があれば医師に報告するようにという指示が多いです。
しかし、実際は胃残がどれだけ残っているといけない、のような胃残については正確に研究結果が出ていません。
とりあえず、胃残が残りすぎていないか、出血などが無いかは確認しましょう!
栄養投与
ここまで準備を行って、やっと栄養を投与できます。
ちなみに、栄養を投与する際に手落としかポンプを使用するかの確認はしておきましょう!
基本的に間歇投与(朝昼夕と分けて投与すること)であれば、手落としでいいことが多いです。
しかし持続で栄養を投与する患者や重症患者では、投与量を厳格に管理するため栄養専用のポンプを使用することが多いです。
内服薬の投与
栄養剤を投与し終えると、次は内服薬を投与します。
基本的に経管栄養の患者は口から内服薬を飲むことができないので、チューブから薬を投与します。
準備していたメモリ付きコップ小に内服薬を入れて、メモリ付きコップ大の白湯で薬を溶かします。
この際、内服薬が錠剤であれば粉砕容器に入れて薬剤を粉砕にしましょう。(粉砕できない薬もあるので注意)
その後、栄養用のシリンジ小で内服薬と白湯を混ぜてシリンジ内に薬剤を吸い込み、患者に注入します。
注意点として、チューブ内は狭いため、内服薬が固まるとチューブの閉塞をしてしまいます。
内服薬を投与の際は、薬を吸ったシリンジを振りながら(薬剤がダマにならないようにするため)注入しましょう!
また、漢方はかなり溶けにくく固まりやすいため注意です。(今まで2回、漢方でチューブを閉塞させてしまいました笑)
もし、チューブが閉塞してしまったら再挿入が必要です。
EDチューブを再挿入するとなった場合は、こちらの記事にまとめてあるのでよかったら読んでください!
プラスワンポイント→水ではなく白湯で薬を溶かせると固まりにくくなります。
患者の体位を整える
注入を終えると、患者の体位を整えましょう。
基本的に、注入直後はベッドを平らにはせずに少しギャッチアップはさせておくと逆流のリスクは軽減できます。
最後に片付けをして終了です。
まとめ
経管栄養を実施する際には、たくさんの手順がありますが忘れないようにしましょう!
物品準備
患者の体位を整える
口腔ケア、吸引
血糖測定、インスリン注射(必要時)
胃泡音確認、胃残の確認
栄養剤とチューブをつなぎ、投与
栄養を投与後、内服薬を投与
患者の体勢を整える
片付け
今回は、一般的なEDチューブをイメージした手順を記載したので、胃ろうなど他の経管栄養の場合は物品も少し変わります!
私はナーシングスキルを確認しながら経管栄養の手順を覚えました。
皆さんも、ゆっくり焦らず経管栄養をつなぐ際の一連の流れを覚えてください!
この記事が皆さんのお役に立てばうれしいです。
ありがとうございました!
よんくれ
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