【輸血について】各製剤の種類と取り扱い方法を簡単にまとめました!

輸血の種類や取り扱いについて知りたい

この記事では、このような方に読んで頂きたいです。

どうも、2年目ナースのよんくれです!

先日、患者に対して輸血を行うことがありました。

循環器では輸血を行う頻度はちょこちょこありますが、私はそこまで詳しく輸血について調べたことがありませんでした。

新米看護師にとって、輸血についてはあまり知らない人は多いように感じます。(血液内科のように輸血をする頻度が少なく、自信がない、、、笑)

そこで先輩から勉強会をしていただき、自分でも学んだことを含めて皆さんに共有したいと思います。

新人さんからベテラン看護師まで見ていただける内容です!

この記事を読むと、輸血について、特徴、現場での取り扱いについて知ることができます。

目次

輸血とは

輸血とは、血液成分の不足を自他の血液から補う治療法のことです。

血液は、体重の約8%程度であると言われています。(50Kgの人なら約4L)

もし、事故などで全血液量の20%以上の血液が無くなると、ショック症状が現れます。

このような際に、輸血を行い血液量を確保するのです。

輸血製剤の種類

輸血製剤には、全血輸血、成分輸血の2種類があります。

成分輸血の中には、赤血球液(RBC)、濃厚血小板(PC)、新鮮凍結血漿(FFP)の3種類があります。

全血輸血は、採血されたままの血液(すべての成分が含まれている)を輸血します。

最近では、患者に合わせて必要な成分だけを投与する成分輸血が主流となっています。

私はまだ全血輸血を見たことがありません(笑)

成分を分けた理由としては、必要のない成分まで投与してしまうとこによる無駄遣いを軽減することや、多量投与による心負荷を避ける、などが挙げられます。

表示の意味

輸血には、英語で書かれた表記がありますよね。その解説を行います。

例)

照射 - 赤血球液 - LR2単位

 Ir  - RBC - LR2

放射線照射 製剤の種類 白血球除去処理済

放射線照射や白血球除去を行うことで副作用を予防しています。

血液の単位

それぞれの輸血の種類で1単位に入っている用量が異なります。

赤血球液-LR    1単位 約140ml 2単位 約280ml

新鮮凍結血漿-LR  1単位 約120ml 2単位 約240ml

濃厚血小板(日赤)  1単位 約20ml

血小板には10・15・20単位がありますが、15単位と20単位はともに250mlです。(中にある血小板数が異なります)

この量は、患者のINOUTバランスに関わるため、ICUなどでは特にどれぐらいの量が体内に投与されたかを知っておく必要があります!

各製剤の特徴と取り扱い

赤血球液(RBC)

<輸血の目的>

末梢循環系への十分な酸素供給循環血液量の維持です。

<使用基準>

Hb値(ヘモグロビン)7㎎/dl、貧血による症状がある。(私のいる循環器では8ml/dlを目安としているそうです)

慢性貧血の場合は6~7㎎/dl

急性期の出血はHb値だけでは判断しないようにしています。

おおよそ、2単位輸血を行うことで、体重50Kgの場合Hb値が約1.5㎎/dl程度上昇します。

輸血を行ったのにHb値が上昇しない場合は、出血している可能性があります。

下血や消化管出血など体内での出血が無いかアセスメントしましょう!

<赤血球製剤の取り扱い>

赤血球製剤は冷蔵保存が必要です。

2~6℃の冷蔵庫で保存します。そのため、部署で使用する準備が整ってから輸血製剤を請求しましょう!

※輸血製剤が届いたのに投与準備に時間がかかると、赤血球が溶血してしまうなど効果が得られなくなってしまうので注意です。

輸血を投与する際は、輸血専用のラインを使用します。

濃厚血小板(PC)

<輸血の目的>

血小板成分を補充することにより、止血を図る。または出血を予防する。

<使用基準>

外科手術 5万/μL

造血器腫瘍 2万/μL

骨髄異形成症候群 1万/μL

再生不良性貧血 5千/μL

10単位輸血→(50Kgの場合)3〜4万/μL程度上昇します。

<血小板製剤の取り扱い>

20℃〜24℃で振盪保存を行います。

振盪しないと血小板が固まって使用できなくなります。

※血小板製剤を放置しない。必ず手搬送を行う。冷蔵庫に入れない。

投与する際は、血小板専用の輸血セットを用います。(私の病院では製剤と一緒に届きます)

血小板専用のラインはRBCやFFPには使用しません。

新鮮凍結血漿(FFP)

<輸血の目的>

凝固因子の補充血漿因子の補充を行う。(血栓性血小板減少性紫斑病、播種性血管内凝固症候群などで使用)

<FFPの使用基準>

INR2以上、PT30%以下、APTT25%以下

凝固因子血中レベル20〜30%の上昇を目標に投与されます。

上昇させるのに必要なFFPの量は8〜12ml/Kg

そのため、FFP投与は心臓にとってかなりの容量負荷となります。

<FFPの取り扱い>

−20℃以下の冷凍庫で保管し、30℃〜37℃で融解して使用します。

融解温度が低いと、沈殿物が生じフィルターの目詰まりを起こしてしまいます。

逆に融解温度が高いと、血液中のタンパク質が変性し使用できなくなります。

また、融解後は3時間以内に使用しないといけません。

※一度融解したものを再凍結しない。

融解の仕方として、専用の恒温装置を使用しましょう。

早く融解したいからといって、熱湯をかけると蛋白変性を起こします。また電子レンジでチンをするとなかなか融解せずに血液バックが溶けてしまいます笑

また、冷蔵庫で保管することもNGです。

まとめ

いかがでしたか。

輸血は正しく使用することで有効な治療法ですが、副作用などは重症となることもあるので注意しましょう。

次回は輸血の副作用について記事にしたいと思うのでよかったら見てください。

ありがとうございました。

よんくれ

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