【実体験から学ぶ】クモ膜下出血OP後の血圧管理:降圧薬増量の前に原因を見極めよう

血圧が上昇したら、降圧薬で血圧管理をすればいいんでしょ?

あなたはこのように、
血圧管理が必要な患者さんの血圧が上昇したとき、すぐに降圧薬を増やしていませんか?

特にクモ膜下出血のOP後など、再出血を避けるために厳密な血圧管理を求めらる患者さんの場合は、降圧薬に頼っているのではないでしょうか。

しかし、ただ降圧薬を増やすだけでは、見た目上の血圧を下げることができても、他の合併症や症状を見落としてしまう可能性があります。

ICUなど、自分で話すことができない患者さんの場合は、合併症が進行していき、気づいたときには重症化していた、、、なんてことも。

では、血圧が上昇したときにどうすればいいのか。

それは、

血圧が上昇した原因を考え、その問題にアプローチすること

この考えができると、不要な降圧薬を使用することなく、他の合併症や症状を早期に発見することに繋がります!

私もICUで勤務していますが、この考え方を大切に、日々看護を実践しています!

この記事では、私の実体験をもとに、新人看護師向けに、単に数値だけに注目するのではなく、血圧上昇の原因を考えた上で適切な介入を行う大切さを伝えます

この記事からわかること
・血圧上昇の原因を考える重要性
・具体的な対応方法

この記事を読むことで、ただ降圧薬を使用するだけではなく、一歩レベルの高い看護を提供できます。

その結果、先輩から「こいつやるな!」と思わせられるかも!

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目次

事例紹介

私は、クモ膜下出血でOPをした患者さんを受け持ちました。

その患者さんは挿管されており、
プロポフォール(鎮静薬)、フェンタニル(鎮痛薬)、血圧が高く、ニカルジピン(血圧を下げる点滴)を投与していました。

勤務初めに行う先輩との調整で、私は

「クモ膜下出血OP後に、血圧が高めなのでニカルジピンを投与しています。血圧が上昇すると再出血のリスクがあるので、指示の血圧140mmhg以上になれば点滴量を調節します」

と話しました。

先輩看護師からの助言

すると、先輩からこのような返事が返ってきました。

「再出血予防のため、血圧管理は大切だね。でも、血圧が上がったからニカルジピンの量を増やす、という考えはどうかな?

例えば、痛みが原因で血圧が上がっているかもしれない。
それなら、鎮痛薬を使用して痛みを取ることで血圧が下がるし、覚醒してきているのであれば、鎮静剤を増やす必要があるかもしれない。

血圧が上昇する要因を考えて、その原因を対処しないと患者さんの苦痛はとれないよ。

最悪、再出血をしてたらまたOPに行くかもしれないからね。」

先輩の指摘ポイント

血圧上昇は、単に降圧薬を増量するだけで解決する問題ではなく、痛みや覚醒状態など、他の要因が影響している可能性がある

例)

痛みが原因の場合

→ 鎮痛薬で対応することで血圧が下がる可能性

覚醒が進んでいる場合

→ 鎮静薬の調整が必要な場合がある

再出血を起こした場合 

→ 再度OPを行う

大切な考え方

患者の全体を評価し、「なぜ血圧が上がっているのか」を考えた上で対処することが、患者の苦痛を和らげ、不要な薬剤投与を避けるコツだね!

実践への応用

血圧上昇時の対応について、解説します。

血圧上昇時は、まず
なぜ血圧が上昇したのかを評価します。

その際に、ポイントとしては
合併症、ストレス、痛み、覚醒状態です。

事例のクモ膜下出血の患者なら、血圧上昇による再出血による症状が無いか(瞳孔所見や神経学的所見)を確認します。

この合併症の発症を除外することは大切なので、どんな患者さんでもはじめに考えてください!

合併症ではないことを確認したら、次に進みましょう。

ケア中に血圧が上昇したら、ケアによるストレスや負荷かもしれないので、ケアを中断します。

休息を入れることで血圧が下がる場合は、ケアの分散を心がけましょう。

また、失禁や体位の不快感などによるストレスでも血圧は上昇します。

オムツの中を確認する、安楽な体位をとってもらうことでも血圧が下がることがあります。

痛みでも血圧は上昇するので、患者さんに痛みが無いか確認します。(NRSを用いる)

挿管中など話せない患者さんの場合は、CPOTを用いて顔のしかめ具合で判断しましょう!

自分で体位変換ができない患者さんは、腰痛などでも血圧が上昇します。

また、術後の患者さんは術後疼痛がありますね。

この場合は、鎮痛薬を使用することも有効です。

入眠中や挿管による鎮静中の患者が、覚醒した場合でも、血圧が上昇します。

鎮静中であれば、鎮静度をRASSで評価し、鎮静度を深めるなどの対応を行います。

応用可能なポイント

これらは、くも膜下出血に限らず、血圧管理がシビアな患者さん全般において、原因を追究する考え方は有効です。

まとめ

私も、血圧上昇時は降圧薬をすぐに検討していましたが、今では原因を考えるようにしています!

ただ、急激な血圧の上昇160台などに急速に上昇した場合)は、すぐに降圧が必要なので原因を考える前に、すぐに降圧薬を使用してくださいね。

要点の再確認

・数値だけで判断せず、血圧上昇の原因を考える
必要な場合は、降圧薬だけでなく他の薬剤の調整を検討すること

新人さんは、自分の判断に自信が持てない場合が多いので、先輩の助言やチームの意見を取り入れて、柔軟かつ安全な看護を心掛けるようにしてくださいね!

これからも、日々の看護に役立つ情報を発信するので、よかったら他の記事も読んでみて下さい!

ありがとうございました!

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