患者に必要な看護の理解を深める考え方について、5つのステップで教えます!

患者に必要な看護が分からない
個別性のある看護ってなんなの

このような悩みを持っていませんか?

私もずっと悩んでいた一人です。

どんな看護が必要か分からないまま、日々の業務やケアをしていました、、、

しかし、ある先輩の考え方を聞いて、
患者に必要な看護の考え方が大きく変わりました。

その結果、今必要な看護が少しずつ分かり、個別性の看護について理解できたのです!

なぜ、患者に必要な看護が分からないのか。

それは、医療用語が難しく自分の中でイメージできないから!(だと私は思っています笑)

分かりやすい言葉や例を挙げて説明するので、新人さんでも看護についてイメージできると思います。

私も看護について悩んでいましたが、今では必要な看護を提供しながらICU看護師として働くことができています。

そこで、この考え方について5つのステップで、あなたに共有したいと思います!

この記事を読むと分かること

・患者に必要な看護の考え方
・個別性の看護とは何か

患者に必要な看護の考え方を知ることで、あなたの看護の幅が広がり、自信を持ってケアをおこなえるようになります!

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目次

患者をとらえて必要な看護を提供するための考え方とは

初めに結論をお伝えします。

1 患者の現状を知る
2 問題点を1つ考える
3 問題に対する患者の目標を考える
4 問題点の要因が何かを考える
5 要因の対処法(看護)を考える
 

いやいや、難しいじゃないか!!!

大丈夫です。この記事を最後まで読むとこれが理解できるようになります!

患者の現状を知る

まずは患者の状態を知りましょう!

カルテや患者を直接見てください。

なぜ入院したのか、治療状況、既往歴、家族、リハビリ状況、客観的な印象など。

すると、患者が何で困っているのかが少しずつ見えてきます。

問題点を1つ考える

次に、患者が問題としていることを考えます。

看護が必要な患者は、何かしらの問題があるから看護を必要としています。

身体面なら、気道、呼吸、循環、意識の順番に見ていくといいでしょう。

他には精神面や社会面(リハビリ、疾患理解について、周囲の状況、金銭面など)もありますね。

本来ならいくつかあるかもしれませんが、まずは1番の問題だと思う1つで大丈夫です。

問題に対する目標を考える

患者の問題点が見つかったら、次は患者がどうなれば今の問題が解決となるのか、目指すべき目標を考えます。

これは患者と一緒に考えてもいいですね!

目標を決めることで、
看護の方向性が決まります。

問題点の要因が何かを考える

目標が決まったら、問題となっている要因を考えます。

思いつくだけ考えてみてください。

要因は1つではなく、複数ある場合が多いです。

要因の対処法(看護)を考える 

最後に、問題となる要因の対処法を考えます。

この対処法が、看護ケアとなるのです!

対処法の中には、看護ではどうしようもできないことがあります。
その場合は、私たちが介入できない内容として削ることができます。

たくさん説明しましたが、まだ少し難しいですよね。

そこで、次から実際の例をみることで理解しやすくなると思います!

実際の例

あなたはICU(集中治療室)で働いています。

患者は80歳、肺炎で入院していました。
意識ははっきりし、認知症もなし。
ある日、自分の痰が気管内で詰まってしまい、呼吸状態が悪化したのでICUに入室し、人工呼吸器管理(挿管)となりました。

この事例をもとに、今患者にはどんな看護が必要か、一緒に考えていきましょう!

患者の現状を知る

肺炎で入院した80歳。

肺炎は抗生剤治療にて、改善傾向であった。

しかし、肺炎によりが増えてしまったことや、自分でが出せないことにより、痰詰まりを起こして容体が悪化

そのため挿管をして、呼吸状態を維持している。

循環動態は安定しており、もともと意識レベルもクリア。

問題点を1つ考える

身体面をA(気道)B(呼吸)C(循環)D(意識)で見てみましょう。

A(気道) 痰詰まりにより状態悪化
B(呼吸) 肺炎は治療により改善傾向
C(循環) 問題なし
D(意識) もともと意識レベルクリア

あなたはABCDの中の、何が問題だと感じますか?

私は
問題はA(気道)で痰による気道閉塞である
と考えました。

問題に対する目標を考える

では、どのような状態であれば、痰による気道閉塞を防げるでしょうか。

私の考えでは

による気道閉塞のため、が少なくなる、自分でを出せると気道閉塞は再発しないと考えました。

そのため、気道がきれいな状態を保つことができる(気道浄化)を目標としました。

問題点の要因が何かを考える

次に、痰が増加する要因はどんなものがあるのかを考えます。

痰が増加する原因を私なりにまとめました。

・肺炎
・挿管管理
・口腔内汚染
・栄養剤の使用
・咳嗽力の低下

要因の対処法(看護)を考える 

さいごに、問題となる要因の対処法(看護ケア)を考えます。

肺炎

肺炎自体については、抗生剤で治療します。

そのため、

・抗生剤の副作用が無いか観察する
・正確な時間で薬を投与する

などは看護師ができます。

また、挿管管理をしているため痰の量が増えてさらに肺炎が悪化してしまう可能性があります。(VAP)

VAPを予防するには、

・吸引を行う
・30°ギャッチアップを行う

他に、レントゲンをみて痰や胸水の位置を確認し、体位変換をどちらの方にするべきか、考えます。

痰がある方を上にすると、痰が重力で気管内へ降りてくるため、吸引にて回収できるのです。

・体位変換

まとめると、肺炎に対しての看護ケアは

・抗生剤の副作用が無いか観察する
・正確な時間で薬を投与する

・吸引を行う
・30°ギャッチアップを行う

・体位変換

挿管管理

挿管チューブが気管内に入ることで、痰の量が増加してしまうことについては、看護ではどうしようもありません。

しかし、固定をしっかりできていないと、体動などでチューブが動いて気管を刺激する。

結果、痰が増加する要因となります。

これらを予防するために

・挿管チューブの固定方法
・固定テープの選択

などは看護師ができます。

また、レントゲンを見ることで挿管チューブの位置がずれていないかを確認できます。

位置がずれていると、片肺挿管や声帯脱臼などのリスクとなるためです。

・レントゲンの確認

まとめると、挿管管理についての看護ケアは

・挿管チューブの固定方法
・固定テープの選択

・レントゲンの確認

口腔内汚染

口の中が汚いと、雑菌が増加します。

その雑菌が多い唾液が肺へ垂れ込むことで、肺炎となります。

また、雑菌が多いことで防御反応として痰が増加します。

このことから、口腔内をきれいに保つ必要があります。

そのためには、

・マウスケア
・保湿剤の塗布

をすることで、痰の増加や肺炎の予防となるでしょう。

まとめると、口腔内汚染に対する看護ケアは

・マウスケア
・保湿剤の塗布

栄養剤の使用

挿管中でも、経管栄養を使用すると痰が増加すると言われています。

しかし、栄養剤は重症患者でも早期投与が推奨されているため必要であり、看護では手出しできません。

咳嗽力の低下

高齢になると、咳嗽力が低下し自分で痰を出せなくなることもあります。

咳嗽力を鍛えるには、

・呼吸筋リハビリ

を行うことが有効でしょう。

呼吸筋リハビリは少し難しいので、ここは

・理学療法士さんとも連携

してもよさそうですね。

この多職種の橋渡しも看護師の役割です。

そのため、咳嗽力の低下に対する看護ケアは

・呼吸筋リハビリ
・理学療法士さんと連携

この患者に必要な看護

これらのことから、肺炎で痰詰まりを起こしてしまった患者に対する、気道浄化を目標としたときに必要な看護ケアが分かりました!

再度下記にまとめます。

肺炎が悪化し気道状態が悪くならないようにするケア

・抗生剤の副作用が無いか観察する
・正確な時間で薬を投与する

・吸引を行う
・30°ギャッチアップを行う

・体位変換

挿管管理により増加する喀痰を増加させないために行う看護ケア

・挿管チューブの固定方法
・固定テープの選択

・レントゲンの確認

口腔内汚染により、さらに肺炎や痰の量が増加しないためにできる看護ケア

・マウスケア
・保湿剤の塗布

咳嗽力を鍛えることで自己喀痰を行うことができるための看護ケア

・呼吸筋リハビリ
・理学療法士さんと連携

このように、まずは患者を知る。
そして問題点を見つけ出し、目標を考える。目標達成のための問題点の要因を考え、それへの対処する方法が今必要な看護となるのです!

個別性の看護

ここまで理解できれば、個別性の看護は簡単です!

だって問題要因への対処法(看護ケア)の内容が決まっているから。

あとは患者に合わせて対処のやり方を変えれば、それが個別性の看護となるのです。

個別性と難しく言っているだけで、要は1人1人に合ったケアをしましょうと言っていいるだけです!

先ほどの看護ケアから、個別性のある看護に変換すると以下のようになります。

・痰の量が多く、粘っこいため細い吸引チューブだと吸いきれない。
→そのため太い吸引チューブを使用する。

・体位が左向きだと酸素化が悪くなる。
→体位変換は左向き1時間、右向き2時間にしよう。

・レントゲンや呼吸音から痰が左肺に多そう。
→左肺を上側にして痰を気管へ落とすため、体位は右向きにしよう。

・皮膚が弱そう。
→挿管チューブ固定に使用するテープを皮膚に優しいものに変更し、皮膚保護材を使用する。

・口が汚い。
→口腔ケアは朝、昼、夕、眠前の1日4回しよう。

これらは、ほんの一部であり、あなたも患者に合わせてケアの方法を変えていると思います。

実はそれが個別性の看護だったのです!

こう思うと、個別性の看護ってイメージしやすくなりませんか?

実際に私が体験した個別性の看護についてこちらの記事にまとめているのでぜひ読んでみてください。

終わりに

ここまで読んで頂いた方は、初めに私が伝えた看護の考え方について理解できたのではないでしょうか。

再度まとめると、

1 患者の現状を知る
2 問題点を1つ考える
3 問題に対する患者の目標を考える
4 問題点の要因が何かを考える
5 要因の対処法(看護)を考える

そして、この5で考えた看護の方法を、患者一人一人に合わせた方法で行うことが個別性の看護となるのです!

初めは一人で考えることは難しいかもしれませんが、この考え方さえ知っていれば今、患者にどんな看護が必要かが分かるようになります。

ゆっくり自分のペースで、看護師として一緒に成長しましょう!

あなたの看護の悩みについて、少しでも解決できればうれしいです。

ありがとうございました。

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