【個別性のある看護】印象に残った看護について

この記事では、個別性のある看護の一例を知ることができます!

どうも、看護師のよんくれです!

看護師ってよく「個別性のある看護をしなさい」と言われますよね。

でも正直、個別性のある看護ってなんですか???って思っている方も多いと思います。

私もその一人でした(笑)。

最近、看護研究で対象患者について看護をしている時に「これって個別性のある看護じゃないかな」という実感を得られました。

そこで皆さんにも、個別性のある看護の一例を紹介したいと思います!

目次

個別性のある看護とは

まずは、個別性のある看護とは何かを見てみましょう。

漆畑里美による【「個別性のある看護」に関する概念分析】によれば、以下の通りです。

「個別性のある看護」は「対象者の状態を望ましい方向へ移行するために,対象の置かれている状況およびその背景を把握し,それをもとに既存の看護を組み合わせる,調節・変更・改善することで創造される看護

日本看護技術学会誌8巻3号 (jst.go.jp)

少し難しいですね。

個人的な解釈としては「自分のできる看護技術を患者に合うようにアレンジして提供すること」だと思っています!

これなら、たとえ新人であっても考えて自分なりの個別性の看護を実施した、と言えますね。

これらをもとに、私の行った具体的例を紹介します。

事例

VF(心室細動)による低酸素脳症から高次機能障害となってしまった中年の患者。

心機能は回復してきたが、長期臥床による筋力低下や高次機能障害が残っており、リハビリを行っていました。

はじめは、意思疎通はとれませんでしたが徐々に理解できるまでは戻ってきており、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が介入してリハビリを行っています。

それぞれで、車いす乗車時間の延長、手指の運動、嚥下訓練などが主なリハビリです。

しかし、最近は意識が戻ってきていることからリハビリを少し拒否するようになりました。

そこに対して、何か看護師で介入できないかなと考えました!

個別性のある看護ケアの内容

面会時に家族さんがたくさんの写真を持ってきてくれたのですが、テーブルに重ねて置いているだけでした。

せっかくいい写真があるのに、ただ置いておくのはもったいないな、、、

そこで私は、「たくさんある写真を模造紙か何かに張り付けてもらい、病室へ飾ってあげてはどうか」と考えました。

先輩に相談すると「家族が面会に来た時、一緒にやってもらうことで家族に対してもいい効果があるのでは」とアドバイスがありました。

患者側には、写真を選んで自分で張り付けてもらうという頭を使う運動になり、指先の運動にもなります。

家族側には、患者と一緒に思い出を振り返ることができる、現状のできることを理解してもらい、回復していることを知ってもらうことができると思いました!

準備したもの

・ラミネート数枚(模造紙がなかったため写真を張り付ける用)
・写真数枚
・セロテープ

個別性のあるケアの実践

家族さん(奥さん)が面会に来た際に説明し、2人で写真を選択しラミネートに張り付けてもらいました!

奥さんと写真を見ている姿は、明らかに表情が和らいでいるように見えました。

「どこに置く?ここにするか!」などの声が聞こえながら楽しそうに写真を選んでいます。

そして、今まではうまく指先を使えていなかったのですが、自分からセロテープを切って写真を張り付けていました。

奥さんもその姿をみて「すごいね!」と笑顔でした。

面会時間は1時間。

正直、1時間近くかかるのではないかと予想していたのですが、わずか10分ですべてを上手に貼ることができていました。

完成した写真を張ったラミネートは、本人のベッドサイドへ見えるように飾りました!

家族がいないときは、ぼーっと写真を眺めている時間も!

個別性のあるケアの評価

患者に対して

患者に対して色んなリハビリは行っていましたが、全てリハビリだから頑張って!というスタンスの物ばかり。

それに対して、写真を貼ってもらうことで患者へ新しい刺激となったと思います。

客観的にも少し表情が緩くなりました!

また、今まで積極的に何かをしようとしていませんでしたが、初めて自分から手を伸ばして写真を貼り付けていました。

自分から、というのが本人にとっても重要な事だと思います。

また、セロテープを引っ張る、切る、貼り付ける、という動作を簡単に行えました。

初めはテレビのリモコン操作も難しかったのですが、指先の運動機能は回復してきていると評価できます!

家族に対して

奥さんは、VF(心室細動)で命の危機にあった時からすごく不安を抱いていました。

しかし、写真を選ぶということを一緒に出来ることに感動されていました。

2人で楽しそうに過ごされる時間を提供出来たのは、家族看護としてもよかったと思います。

面会後、「ありがとうございました、あれだけ手が動くようになって良かったです。」と話されました。

奥さんも少し表情が和らいでいた気がします。

このような発言から、家族さんに対してもいいケアが出来たのではないでしょうか!

(語彙力がなくてすいません笑)

まとめ

普段からリハビリを行って、リハビリ内容に飽きていました。

そこに対して、本人の意欲のあることでリハビリにもなる内容(写真の貼り付け)を考えました。

家族さんと一緒にすることで、家族の時間を確保し、一緒に何かをするという入院前の日常を久しぶりに感じてもらえたと思います。

この事から、何気ないことでもリハビリになる。リハビリ拒否の患者には、本人がリハビリだと思わない内容のほうが継続してもらいやすいと学びました。

また、家族と一緒に行ってもらう事で家族看護につながる事も知ることが出来ました!

私が行ったケアは、難しいことではありません。

患者や家族の背景を考え、双方に良い影響を与えられるよう自分ができる看護を提供しました。

自分的にも、個別性を意識した看護を提供できたのかなと思います!

個別性の看護は難しいと思いますが、このような事例を知ったうえで自分の看護にも生かしてもらえると嬉しいです。

個別性の看護については他にも記事を出しているのでよければ見て下さい!

ありがとうございました。

よんくれ

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