GCSってなに?新人看護師がつまずきやすい意識レベル評価をわかりやすく解説!

GCSって聞いたことはあるけど、正直自信がない・・・

そんな新人看護師さん、多いんじゃないでしょうか?

私も新人さんから「GCSって評価が難しいです」と言われたことがあります。

なんなら、私も新人のころ、GCS評価をするときは、先輩を呼んでいました(笑)

GCSが難しいと感じる理由は、「項目が多く暗記が大変」「評価したことがなく、なじみがないから」だと思います。

しかし、GCSは意識レベルの評価にとても大事なツール。

特にICUや脳神経系の病棟では欠かせません。

今回は、そんなGCSについて「どんな場面で使うの?」「どう評価するの?」といった基本から、実践方法・よくある質問まで、新人看護師さん向けにわかりやすく解説します。

この記事からわかること
・GCSの基本的知識
・実践方法やよくある質問

この記事を読むことで、GCSの苦手なイメージが少なくなり、現場でGCS評価を正確にできるようになります!

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目次

GCSとは?どんな場面で使うの?

GCSとは、Glasgow Coma Scale の略です。

主に、救急・急変・術後管理・脳神経疾患の患者さんに使用することが多いです!

評価する項目は3つ
E:開眼    (1~4点)
V:発語反応 (1~5点)
M:運動反応 (1~6点)

意識レベルを評価するスケールで、E+V+Mの合計で3〜15点で判定します。

点数が低いほど重度の意識障害があり、点数が高いほど意識障害が少ないです。

GCS8以下は、挿管の適応となることが多いよ!
GCS13点以下は、なんらかの意識障害あり
・短時間で2点以上の低下は病態の急変を表す

JCSとGCSの違い

「意識レベル」と聞いて、JCSとの違いに戸惑う新人さんも多いと思います。

そこで、簡単に比較した表を作成しました!

比較項目JCS(Japan Coma Scale)GCS(Glasgow Coma Scale)
使用する場所日本国内
特に救急現場や初期評価
世界的に使用
ICU・神経疾患など広く使用
評価分類数字1桁・2桁・3桁で意識レベルを示す「開眼(E)」
「発語(V)」「運動(M)」の3項目
点数の範囲0, 1桁, 2桁, 3桁
(例:1、10、100など)
3〜15点
直感的な分かりやすさ数字が大きいほど重症点数が低いほど重症
観察簡易的だが迅速より詳細に意識レベルを評価可能
主な特徴単純で早い、報告しやすい総合的かつ国際的な標準

簡単にまとめると、JCSは日本で使用されており、簡単で早く評価できる。

GCSは世界共通で、意識レベルを詳しく評価できるという感じです!

GCSの評価方法と基準

では、GCSの評価の方法について解説します!

今回は新人さん向けに、言い回しを簡単にした表を作成しました。

項目 得点 反応 説明
E(目) 4 自発的 自分で開ける
3 呼びかけ 声で開ける
2 痛み 痛みで開ける
1 なし 開けない
V(言語) 5 明瞭 はっきり話す
4 混乱 話が混乱
3 不適切 単語のみ
2 意味なし 声は出るが無意味
1 なし 声なし
M(運動) 6 従う 指示通り
5 局所化 痛む部分を触る
4 回避 手を引く
3 屈曲 急に曲がる
2 伸展 急に伸びる
1 なし 動かない

ポイント

開眼(4~1点)
→自発的に?呼びかけで?痛みで?反応なし?

発語(5~1点)
→会話成立?混乱?単語のみ?なし?

運動(6〜1点)
→指示に従う?痛み刺激に反応?曲がってる/伸びてる?反応なし?

私が行う実際の評価の手順

E:開眼の評価の手順

①患者さんを外から見て、目が開いていたら4点
(本、TV、景色などを見ている時点で4点です)

②目をつぶっていたら「○○さん、こんにちわ」と挨拶を行い、目が開いたら3点

③声かけで開眼しない場合、肩をたたく、爪の先をペンで押し、開眼すれば2点

④開眼しなければ1点

①、②は観察するぞ!っと意気込んで観察するようなものではなく、パッとみて評価することができます!

V:発語の評価の手順

①患者さんに挨拶した後、軽く世間話ができれば5点
(おいくつですか、誕生日は?入院してどれぐらいたちますか、何曜日ですか、などの話を入れると、見当識の程度が分かります!)

②聞いた質問と答えがちぐはぐで、会話が成り立たない場合は4点
(例:今日は何日ですか?→昨日魚を食べてん)

③質問しても、内容がちぐはぐで、単語でしか返答してこない場合は3点
(例:今日は何日ですか?→ご飯)

④質問しても、「あー、うー」といった発声、「@▽※✖」といった聞き取れない発語は2点

⑤声が出なければ1点

私はEの評価で開眼した時点から、Vの評価に移ります!
ポイントは、普通に話せる、話せないなら5点か1点。
あとは、「文章・単語・発語」のどれかで点数を分けられます!

M:運動の評価の方法

①私の手を握れますか・離せますか、もしくはグー・チョキ・パーをしてもらい、これらができれば6点

②どこか痛いところはありますか?と聞き、その部分を軽く触ってみる。そのとき、痛いっと手を払う、もしくは疼痛部に手が伸びるなら5点
(疼痛部を触る理由として、熱感や腫脹などが無いかも確認するために私は触ってみます!)

③疼痛部(手の場合)を触ると、手を引く、体を動かして疼痛部の接触をさせようとする(逃避反応)場合は4点

④異常に肘などの関節が曲がっている場合は3点

⑤力が入っており、伸展している、ピンっとなっている場合は2点

⑥動きがない場合は0点

Mの評価は、①②③が分かればいいと思います!
初療などの初期対応を行う場合は④⑤の評価が必要ですが、実際の病棟でこれらをGCSで評価する機会は多くありません。
まず、①②③を理解し、すべてがだめなら⑥という感じで覚えましょう。

よくある質問

自部署で、JCS、GCSのどちらで評価すればいいですか?

先輩にどちらで評価しているか確認しましょう!カルテの観察項目に記載していれば、そちらで評価していると思います!

痛み刺激は具体的にどうするの?

爪床圧迫がおすすめです!
爪にペンの側面をあて、圧迫すると結構痛いので、患者さんの反応に合わせて力加減は調整します。

挿管・気管切開患者のVの評価は?

挿管・気管切開で話せない患者さんの場合は「T」と記載します。
この場合、T=1点と評価します。

GCSの記録はどのように行うの?

E4V5M6というように、E〇V〇M〇で表記しましょう。合計点だけで記載しても、どの項目が何点か分かりません。

評価項目を覚えられません!

メモ帳やカンニングペーパーを使っていいので、評価項目を見ながらまず、評価できることから始めましょう!1週間もすれば慣れてきます!

まとめ

上記内容を簡単にまとめました!

GCSとは、意識レベルを評価するツールのこと。

主に、救急・急変・術後管理・神経疾患の患者さんに使用することが多いです。

評価項目は、E:開眼、V:声、M:運動の3つです。

15点満点で、点数が低い方が重症

新人さんは、いきなりこの評価項目を覚えることは難しいと思います。

そのため、メモを見ながらまずは評価できる!

ここを目指してみてください!

1週間~1か月ぐらいあれば、自然と身についてきますよ!

GCS評価に関して、覚えやすい語呂合わせや自分なりの評価方法などがあれば、コメントで教えてください!

ありがとうございました!

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