どうも、看護師のよんくれです!
先日、心電図検定2級を受験してきました。
私は看護師1年目に心電図検定4級は受けたことがあるのですが、循環器3年目となり「もう2級を受けちゃえ!」と言った感じで受験を決意しました。
心電図検定って、公式問題集はあるのに試験問題は回収されます。
そのため、どんな問題が出たのかは口伝えでしか広まりません。
そこで、私が覚えている限りの問題について、どのように出題されたかや内容をまとめました。
心電図検定2級を受験する方は、参考にしてみてください!(2023年度の問題です。)
心電図検定について
心電図検定とは
心電図が重要であることは言うまでもありません。
しかし、心電図は難しく苦手な方が多いです。
そこで、自信も持って判読してもらいたい、興味を持ってもらいたい、学ぶ機会を作りたいと始まったのが心電図検定です。
階級について
心電図検定は1級~4級まで分かれています。
・1級 高度な判読力が必要。
例)循環器専門医、循環器で働く専門職(プロ)
・2級 中度の判読力が必要。
例)一般循環器医、循環器で働く専門職(ベテラン、中堅)
・3級 基礎~中等度の判読力が必要。
例)一般臨床医、循環器で働く専門職(新人~)
・4級 基礎的な判読が必要。
例)循環器以外のスタッフ、学生
心電図検定公式サイトの説明を掲載しておきます↓
2級の問題の目安
公式サイトより、
12誘導心電図を題材として、基本的な心電図所見、不整脈、虚血性変化を問う問題だけでなく、疾患による心電図所見の判読や、ペースメーカの心電図の判読に関する問題なども出題されます。
各級の説明 – 日本不整脈心電学会 (jhrs.or.jp)
例)電解質異常による心電図変化など
これらを踏まえたうえで、どんな問題が出たかを一緒に見ていきましょう!
(今回は、問題の解説ではないのでご理解ください。)
試験に出題された問題
軸偏位、時計方向回転、反時計方向回転
これは、選択肢に多く含まれていた印象ですが、これを問う問題もありました!(1,2問ぐらい)
徐脈
徐脈では、SSS(洞性徐脈)、AVblock(房室ブロック)、blockdPACが出題されました。
・SSSではRubenstein分類ⅠⅡⅢ型を見分ける問題。
Ⅱ型の洞停止と洞房ブロックの鑑別まではなかったものの、すべて選択肢や解答に出てきました。
・AVblockでは、ⅠⅡⅢ度のAVblockを見分ける問題です。
Ⅰ度ブロックのPQ間がすごく長いもの、ウェンケバッハⅡ型、心筋梗塞からのⅢ度ブロックは出題されました。
(以下の図にはⅠ度ブロック、Ⅱ型ブロックの高度ブロックなどは記載していません。)
AVblockはほぼすべて選択肢も含めると出題していました!
心電図について詳しく記載している方がいたので、よかったら見てください。
・blockdPACは1問解答しました。
「P波がないからSSSだ!」と思うと引っかかるので注意です。
頻脈
頻脈では、洞性頻脈、Af(心房細動)、AFL(心房粗動)、AT(心房頻拍)、VT(心室頻拍)、SVT(上室性頻拍→AVRT、AVNRTなど)が出題されました。
ここが個人的に最難関です(笑)
VT、SVTの持続性か、非持続性か、Af(WPW症候群ありや変更伝導波形など)、AFLなどを見分ける問題。
Afは問題文に脳梗塞というヒントも書いてくれていました!
※今回は、VTの起源特定やAVNRT、AVRT鑑別は出題されませんでした。
一部ではありますが、以下に心電図を掲載します。
P波関連
P波関連は、WPW症候群(ABC型)が出題されました。
WPW症候群はA型を解答する問題が出題。(ケント束の具体的な位置までは聞かれず。)
Q波、R波関連
Q波、R波関連には、異常Q波、QT延長、R波増高不良が出題されました。
これはそれぞれの定義を知っているか、見分けられるかという形でした。
ST波関連
ST関連には、心筋梗塞(どの時期の波形か、どこの領域か、責任血管)、ブル型症候群(coved型)、平坦T波が出題されました。
心筋梗塞は、臨床でも非常に重要なので問題比率は多めです。
また、急性期、亜急性期、陳旧性で波形が変わったり、梗塞部位や責任血管によって波形はことあるので、ここはマスターしましょう!
下壁の心筋梗塞の合併症で完全房室ブロックも選択させる問題もありました。
ブル型症候群は、coved型とsaddle back型(2種類)があります。
これも1、2問出題された気がします!
脚ブロック関連
脚ブロック関連は、右脚ブロック、左脚ブロック(前肢、後肢)、間欠性ブロック、交互性ブロックについて出題されました。
左脚ブロックに関しては、左脚前肢ブロックと左脚後肢ブロックがどちらもあったと思います。
また、間欠性ブロックと交互性ブロックの違いも理解していないと解けない問題がありました。
期外収縮関連
期外収縮関連は、PAC(心房期外収縮)、PVC(心室期外収縮)が出題されました。
この波形は臨床でもよく見かけますね!
ちなみに、PVCは3連以上でショートランと名前が付き、VTとなるので知っておきましょう。
他にも、2段脈や3段脈などもあります。
異所性調律関連
異所性調律関連は、、移動性ペースメーカー、異所性心房調律、(促進性)心房接合部調律、心室固有調律がありました。
移動性ペースメーカーと異所性心房調律の違いを理解しているか、心房接合部調律や心室固有調律の波形を知っているかというような問題でした。
それぞれ選択肢も含め、各1問ずつぐらい見た気がします。
ペーシング波形関連
ペーシング波形関連では、ペーシングの位置、ペーシング不全、センシング不全があります。
ペーシング波形から、心房、心室のどちらにペーシングされているか、ペーシングやセンシングの不全が無いかを問われました。
※右室心尖部など細かな部位の特定はでませんでした。
疾患関連
疾患関連では、肥大型心筋症、拡張型心筋症、たこつぼ心筋症、早期再分極、心膜炎、不整脈原性右室心筋症(ARVC)がありました。
肥大型心筋症と拡張型心筋症は同じ問題の選択肢で出題され、左室高電位のキャリブレーションバーの縮尺変更もされたトリック問題でした。
心膜炎は子供がコロナワクチン接種後の波形問題でした。
たこつぼ心筋症と早期再分極、ARVCは、選択肢には出てきたものの、回答させる問題はありませんでした。
その他
その他として、右胸心、電極の付け間違い、呼吸性変動などがありました。
右胸心は通常とは異なる波形をしており、その選択肢に電極の付け間違いがありました!
また、RRが不正の問題に呼吸性変動があったと思います。
おまけとして、①~④に当てはまらないものを選べ、という選択肢があり、たぶんそれが解答となった問題がありました(笑)
あと、小児の問題が4,5問ぐらいありました。
しかし、心電図波形は小児特有というわけではなかったのでそんなに迷わなかったです!
出ると思ったが出なかった問題
上記内容でも少し触れたので、箇条書きでまとめます。
- 心筋梗塞の具体的な場所特定(前下行枝近位部など)
- WPW症候群の具体的な場所特定(左室前側壁など)
- VTの具体的な起源特定
- 電解質異常
- AVRT、AVNRT鑑別
- 早期再分極
- ARVC
これらは今回出題されませんでした。
ということは、来年こそ???なんて思っちゃいますね!
周囲の自己評価について
試験終了後、X(旧ツイッター)で試験の手ごたえについてアンケートを実施しました。
約400人の方がアンケートに協力してくださり、50%ぐらいの方はそこまで自信はないなぁっといった感じでした!
みんな不安ですよね、、、あとは朗報を待ちましょう!
アンケートにご協力していただき、ありがとうございました!
まとめ
心電図は、看護師でも循環器でなければ得意という方は非常に少ないと思います。
だからこそ、「心電図が読めるよ」というだけでとて頼られるのではないでしょうか!
心電図の勉強は、目的がないと後回しになりがちです。
そのため、心電図検定をきっかけにあなたも心電図の勉強をしてみませんか?
そして、この記事が心電図検定2級を目指す方の役に立てば嬉しいです。
これからも日々の看護について記事を発信するのでよかったら見に来てください。
私が新人の頃に受けた心電図検定4級の記事もよかったら見てね!
ありがとうございました!
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