できる看護師は実践!透析前の体重測定の重要性と早朝ケアの秘訣

なぜ、透析治療において、体重測定が必要なの?
透析日はいつ体重測定をしたらいいの?

あなたは、こんな疑問を持ったことはありませんか?

私は夜勤中、透析日の朝6時頃に担当患者さんのケアをしていた際、先輩から
「体重を測っておこうか」と声をかけられ、

「なんでこんなに朝早くに体重を測るんだろう」


と疑問に思った経験があります。

しかし、実は透析日は体重を朝一番に測定することがとても重要なのです。

その理由は、
正確な体重測定が透析治療の効果を左右し、患者さんの安全を守るための基盤となるから。

今回の記事では、私の実体験をもとに、透析における体重測定の重要性と、先輩が朝一番に体重を測ろうとした理由について詳しく解説します。

【この記事からわかること】
・透析治療でなぜ正確な体重測定が必要なのか
・新人看護師が現場で実践すべきポイントや、先輩の考え方

この記事を読むことで、
透析現場での体重測定の必要性が明確になり、日々の業務に活かせる実践的な知識と、先輩から学ぶ「先を読む」姿勢を知ることができます。

ぜひ、現場で即戦力となるヒントを得て、できる看護師への一歩を踏み出してください。

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目次

私の体験談

夜勤で透析患者さんを受け持っていました。

その方は、今日の朝一番(9時)で透析を実施する予定。

朝の6時頃、採血が終わったあと、先輩から

「体重を測っておこうかな」

と言われました。

私は

なぜ、こんなに朝早いのに体重を測るんだろう。日勤で体重を測るからいいんじゃないの?

と疑問を持ちました。

先輩に、なぜこんな早い時間から体重を測るのかを質問してみました。

すると、先輩は

「今日は透析があるから、正確な体重を測らないと有効な透析ができないでしょ。それに、透析が9時からあるよね。この時間までには準備をして透析を開始しないといけないから、結局夜勤で体重測定や準備をしないといけないね。」

そう教えてもらいました。

ここでのポイント

・透析には正確な体重が必要
・朝早い時間から透析をする場合、準備は夜勤がしたほうがいい

透析における体重測定の重要性

まず、透析について簡単に説明します!

透析患者さんは、腎臓が悪く自分で尿を作ることができません。(例外はあります)

尿が作れないと、体の余計な水分や毒素を排出することができず、体に溜まってしまいます。

その結果、数日で体重が増加します。

透析とは、この体に溜まった水分や毒素を腎臓の代わりにろ過し、排出する治療のこと。

透析をする際に、どれだけ水分を体から抜くかを決める際に、体重を指標の一つとします。

それがDW(ドライウェイト)です。
DWとは、透析終了後の目標体重のこと。

たくさんの検査データから、その患者さんに合ったDWを決定しています。

透析を行うときは、DWから透析をしていない間にどれだけ体重が増えたのか、現在の体重から透析後の体重の差で、どれだけ水を抜いたのかを確認します。

このように、透析を行う際の指標として体重測定は大切です

透析前の体重を知る理由

大きく分けて2つあります。

1つ目は、どれぐらい水を抜くかの目安となるため。

例えば、
DWが60Kg、透析前の体重が63Kgの場合、透析で水分を約3Lほど除水する必要があるというように、およその除水量が分かります。

(除水量すべてを体重で決めているわけではありません)

2つ目は、体重が増えすぎていた場合、食生活の見直しが必要となるから。

透析で水分や毒素を抜いてくれるなら、好きなものを食べてもいいよね!

それは間違いです。

体に不要な水分がたまると、心臓に負担がかかり、心不全や脳卒中などのリスクとなります。

塩分や水分の取りすぎで体重は増加するので、当日の体重が増加しすぎている場合は、食生活の指導が必要です!

正確な体重の測定法

では、正確な体重測定の方法について説明します。

おすすめは

起床後、排せつを済ませた後

です。

食事や水分による影響がない状態なので、毎日この条件で測定することが望ましいとされています!

先輩看護師が早朝に体重測定をした理由

では、私の体験談に当てはめてみましょう。

正確な体重測定を行うため

先輩は、採血が終わった朝6時ごろに体重を測定しようと言った。

これは、起床後であり食事もしていない時間帯です。

その患者さんは尿道カテーテルを使用していたので、排せつ時間は考慮しない場合、体重測定を行うベストなタイミングでした。

正確な体重測定を行うため、朝の早い時間に体重測定を提案したんだね!

先を読み、業務効率を上げるため

また、透析開始時間が朝の9時でした。

だいたいの看護師は8時~9時の間は、朝食や配薬、勤務の引継ぎなど忙しくなりがちです。

日勤で透析出しをする場合でも、9時からの場合は時間がありません。

焦っているときに体重測定をすると、患者さんの転倒リスクや準備不足で透析時間に間に合わない可能性も生じます。

そのため、夜勤であるが、朝の空いている時間に体重測定を済ませておくことで、患者さんがスムーズに透析を開始できるよう配慮していたのです。

結果的に、看護師も患者さんもメリットがある行動だったと思います!

自分の業務内容を理解したうえで、優先順位を考えて行動したんだね!

実践できる内容

透析患者さんのケアにおいて、体重測定の重要性、業務効率を理解した上で、新人看護師が現場で実践できるポイントを紹介します。

1.透析日のスケジュールを把握する

・透析開始時間を事前に確認し、それに合わせて業務を調整する。
・日勤の流れを考え、夜勤のうちにできる透析準備をする。

2.体重測定のタイミングを意識する

・食事や水分摂取の影響を避けるため、起床後、排泄を済ませた後の測定を心がける。
・早朝に測定できる場合は、忙しくなる前に実施する。

3.患者さんの安全を優先する

・体重測定時に転倒リスクを考慮し、必要に応じてサポートする。
・車椅子や歩行補助具を使用する患者さんには、適切な測定方法を選ぶ。

4.透析に向けた準備を行う

・透析前のバイタルサイン測定、シャント確認、必要物品や薬のチェックする。
・患者さんの調子が悪ければ医師へ相談する

5.体重の評価と指導

・前回の体重のとの変動を確認し、大幅に増えていたら、生活状況を確認する。
・体重増加について、本人と一緒に生活について振り返る

まとめ

透析治療では、正確な体重測定が患者さんの安全と治療効果の鍵となります。

体内にたまった水分や毒素を効率的に管理するためには、正確な除水量の算出が不可欠です。

特に新人看護師の皆さんは、なぜこの業務が重要なのかを常に意識し、先輩看護師の業務の工夫にも注目してください。

今回であれば、先輩は忙しい朝の業務前に体重測定を実施し、患者さんの状態を正確に把握することで、透析開始前の準備時間を確保しています。

このように、先を見据えた業務の工夫は、現場全体のスムーズな流れを作り出し、患者さんの安全を守る大きな要因となります。

これまでの学びと実践を活かし、安心で効果的な透析治療を支える看護師として、日々の業務に取り組んでいきましょう!

ありがとうございました!

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