【BNPについて】心不全の判断指標となるBNPについて解説し、実際に行っているアセスメントや看護を紹介します!

BNPについて知りたい

BNPからどのようにアセスメントや看護につなげるのかを知りたい

この記事は、このような方に読んでもらいたいです。

どうも、2年目看護師のよんくれです!

私は循環器内科で勤務しており、心不全の患者をたくさん看護してきました。

心不全を勉強するにあたって、BNPという言葉が非常に重要になります。

「BNPって何だろう」「聞いたことはあるけど、詳しくは知らないな、、、」

実際このような方が多いのではないでしょうか?

簡潔に説明すると、BNPは心不全を判断するための指標として用いられる採血データのことです!

BNPが上昇すると心不全が悪化している可能性があります。

「BNPは知ってるけど、具体的に看護にどうつなげたらいいの?」

1年目の頃、私はこんな風に思っていました。

しかし現場経験をしていく中で、BNPの見方や看護への活かし方が分かってくるようになりました。

そこで今回は、BNPについてや看護の活かし方について簡単に説明したいと思います。

この記事を読んで、BNPとは何か、アセスメントや看護への活かし方について知ることができます。

目次

BNPとは

BNPとは、B型ナトリウム利尿ペプチドのことです。

BNPは心室で作られるホルモンで、左室拡張末期壁応力(左室拡張末期圧×左室内腔/左室壁厚)と関連性が高いです。

簡単に言うと、左室への負担を表している値がBNPということです!

心臓に負担がかかっているため、心不全が悪化していると考えることができますね。

BNPは現在の心不全マーカーとして最も評価が高いです。

また、心不全の重症度や予後診断にも有効であると言われていますが、BNPの値は個人差があります。

そのため、BNPだけで心不全を判断するのではなく複数の検査も含めて総合的に心不全を判断します。

BNPの働き

BNPの働きは以下の通りです。

  • ナトリウム利尿
  • 血管拡張
  • レニン・アルドステロン分泌抑制
  • 心筋肥大、線維化抑制

基本的に、心臓の負担を減らそうとする働きです。

そのため、アンギオテンシンⅡやアルドステロンの作用を抑えようとします。

(アンギオテンシン、アルドステロンは血圧を上げる際に出てくるホルモンです。少し難しいので詳しく知りたい方は調べてみてください。)

ざっくりいうと、尿を増やして体の水分を減らし、血管を広げることで血圧を下げる、血圧を上げるホルモンを抑制し結果的に心臓の肥大や繊維化を抑えるといった感じです。(笑)

BNPの検査値

BNPの検査値について、日本心不全学会で記載されている数値を参考にしました。

BNP 0~18.4

心不全の可能性は極めて低い

BNP 18.4~40

心不全の可能性は低いが、可能なら経過観察

BNP 40~100

軽度心不全の可能性があるので精査、経過観察

BNP 100~200

治療対象となる心不全の可能性があるので精査あるいは専門医に紹介

BNP 200~

治療対象となる心不全の可能性が高いので精査あるいは専門医に紹介

上記より、BNPは100を超えると治療対象となることがあるので値は確認しましょう!

現場でのBNPを用いたアセスメントについて

私たちは、心不全が改善しているか(正確には心室の負荷が減っているか)をBNPを参考にしています。

BNPが下がっている場合は、心不全の治療が進んでおり心室の負荷が取れてきていると判断し治療を継続します。

しかし、問題はBNPが上昇している場合です。

BNPが上昇していると、左室に負担がかかっているため心不全が悪化すると考えられます。

この場合、飲水量が増えていないか、体重が増えていないか(尿量)などのINOUTバランスを確認したり、前日にリハビリで過負荷となってないかやカテーテル治療など何か治療を行っていないか、などBNPが上昇する原因を確認します。

もし、のどが渇いてしまうため水をたくさん飲み体重が増えている場合は、IN(体内に水分を入れる量)が多く心臓に負担がかかっていると考えられます。

その時は、飲水制限を確認したり利尿剤を変更または増量するなどで体に水分を入れない、排出量を増やすようにします。(腎機能の確認は行いましょう。)

カテーテル治療の後にBNPが上昇してしまう場合は、カテ後の一時的なものかを判断する必要があります。

また、BNPが上昇すると心不全症状が悪化する可能性があるので注意して観察します。

(心不全症状:浮腫、息切れ、倦怠感、末梢冷感、食欲不振など)

BNPが上昇している際の看護

私は、BNPが上昇している患者に対してはまず心不全症状の悪化が無いかを確認します。

呼吸苦がある場合などは胸水の増加が無いかもレントゲンで確認します。

本人がしんどいのであれば、ベッド上でが仰臥位となるのではなくギャッジアップを行い、横隔膜を下げる+静脈還流を減らすことで呼吸をしやすい体位に整える

リハビリはあまり積極的に行わず、場合によってはベッド上で出来ることだけにとどめるようにします。(これは患者によります)

飲水が多ければ、患者に飲水量が多いと心不全が悪化すること、利尿剤を使用していればのどが渇いてしまうことを説明し納得してもらいます。

どうしてものどが渇いて我慢できない場合は、コップに注ぐ一杯量を減らす水の代わりに氷をなめてもらうことで飲水量を減らすことができます。

自分で動くことができない患者には、スポンジブラシで口腔清拭を行うことで口を湿らせるようにしています。

また、重症患者などでは二重負荷を避けるために、清拭とリハビリまでに時間を空ける、ご飯を食べてから歯磨きをすぐに行わない、など患者のケアの予定を分けるように時間を調整します。

まとめ

BNPは左室の負荷を表しているため、心不全の指標とされています。

BNPが上昇している時は、心不全症状の悪化が無いかを確認しましょう!

そのあとに、それぞれにあった看護を行ってくださいね。

心機能が低い患者や末期の心不全患者は一度心不全が悪くなると、回復するまでに時間がかかったり回復しない可能性もあります。

そのため、BNPを確認することで患者の心臓の状態を知っておきましょう!

重要なので何度も言いますが、心不全はBNPだけで判断せず、他の検査や所見など総合的に判断しましょう!

心不全について他にも記事があるので読んでみてください!

この記事を読んで少しでもあなたのお役に立てると嬉しいです。

他にも看護の方法があるなど意見があれば教えていただきたいです!

ありがとうございました。

よんくれ

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