「採血をする際にいい血管の場所が分からない」
「採血や末梢ライン確保の成功率が悪い」
こんな悩みを抱えている看護師の方は多いのではないでしょうか?
採血や末梢ラインについての悩みの理由は、シンプルに難しいから!!!
先輩に採血や末梢ラインをとるコツを聞いたら「いい血管を見つけるのが一番だよ」とのこと。
そんなの分かってるけど、見つけられないんだよって思いませんか?(私は思いました笑)
そこで、この記事では
採血や末梢ラインを入れる際に成功しやすい血管選びのポイントについてまとめてみました!
この記事を読んで解決できる疑問はこれ!
・「採血の際の狙うべき血管ってどんな特徴がある?」
・「血管の実際の場所ってどのあたり?」
・「見えない血管がある場合の対処法は?」
・「狙ってはいけない血管はあるの?」
新人看護師さんや採血、末梢留置が苦手な看護師さん向けに書いています。
血管(静脈)の基本知識
まず、血管について知りましょう。
主な血管の種類
・動脈→心臓から送られる血が流れる
・静脈→心臓へ帰っていく血が流れる
静脈の役割と特性
静脈は全身を回った血液が心臓に戻る通路です。
動脈との違いは
逆流防止のため弁がある、中膜が動脈より薄いなどがあります。
血管選びのポイント
選ぶべき血管の特徴
サイズ:できるだけ太め(通常は直径1〜2mm程度)
状態:血管が浮き出ている、弾力がある、硬くない、まっすぐ
場所:痛点が多い場所(手の甲や足)は避ける、利き腕と反対側
まず、太めの血管は分かると思いますが針が入るスペースが広いので成功しやすいです。
他には、血管に弾力があり(プニプニしている)、まっすぐで浮き出ていると狙いを定めやすいですね。
場所としては、前腕が王道です。
手の甲や足は、神経が多くて痛みを感じやすいので最終手段にしてください!
イメージ図を載せていますが、ここで採血や末梢ラインを入れるなら、前腕の血管を狙えるとベストです。
採血時と末梢ライン留置時の血管選びの違い
末梢ラインを入れる場合は、本人の日常動作の妨げにならないところを選びましょう。
手背、手首、肘、足など関節付近はよく動かすため点滴が落ちにくかったり、患者さんにとって生活のジャマであったりとデメリットが多いです。
実際の患者
高齢者の血管は、細く、弱く、蛇行しています。
そのため、出来るだけいい血管を探すことが成功率を高める鍵となります!
取りやすい血管の場所
上肢の血管
橈骨皮静脈
尺側皮静脈
肘正中皮静脈
引用:M3E Medical https://m3e-medical.com/montore_pages/114KE007
下肢の血管
大伏在静脈
小伏在静脈
引用:http://www.itoortho.or.jp/fukuzai.html
注意点
採血しやすそうな血管を見つけた場合でも、血管の場所によっては神経や動脈が近い場所があります。
肘内側の尺側皮静脈は、付近を太い神経が走行しているためできるだけ穿刺を避けましょう。
手関節部の橈骨皮静脈も、橈骨神経浅枝が近く、正しく穿刺しても神経損傷を来す可能性があるため、できるだけ穿刺を避けましょう。
引用:看護roo! https://www.kango-roo.com/learning/8954/
選んはいけない血管
採血や末梢ラインを入れる上で、選んではいけない血管があることも知っておきましょう。
患者要因
麻痺がある側
シャント(透析をするための血管)がある側
乳がんなどでリンパ郭清をしている側
これらは、血圧測定や他の処置も基本的には反対側でするようにしましょう。
医療機器による要因
末梢ラインが同じ血管に入っている
点滴をしている末梢ラインより中枢にある血管
これらは、同じ血管に穿刺することで血管内で薬剤が混ざってしまったり、採血に薬剤が混じってしまいます。
そのため、他の血管を選びましょう。
血管の探すテクニック
最後に血管を探すテクニックについて紹介します!
正しい体位にする
患者の腕が血管が心臓より下にすることで、血液が腕に流れやすくなります。
マッサージをする・温める
マッサージをしたり、温かいタオルを使用することで血管が拡張し、血流が流れやすくなります。
グーパーしてもらう(クレンチング)
血流がよくなり血管が膨らみます。
注意点:筋肉の収縮によりカリウム値が上昇するため採血直前は避けましょう。
駆血帯をきつく締めすぎない
動脈までしまってしまい、末梢への血流が少なくなってしまいます。
指2本で同時に触ってみる
指2本とも同時に血管が触れる場合、末梢ライン留置に必要な外筒の長さ分のまっすぐな血管があることになります。
(一般的に使用される22Gの針の写真です。)
終わりに
採血や末梢ラインを入れる際には、太く弾力がありまっすぐな血管を探しましょう!
私の中では、指2本を同時に触ってみるということで血管選びがしやすくなりました。
はじめは上手にできないことが多いかもしれませんが、繰り返し練習することで技術が向上します。
また、先輩看護師にコツを聞くのも上達の方法の一つなので試してみてください!
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