どうも、看護師のよんくれです!
看護師をしていると、せん妄患者をよく目にすると思います。
せん妄患者って、危険行動や暴言暴力など対応が大変ですよね、、、
私の部署はHCU(ICUと一般病棟の間)というオープンフロアで、非日常空間から患者がせん妄になりやすいです。
病棟ではたくさんせん妄を見てきたのですが、今までに1度だけ病棟以外でもせん妄となった患者がいました。
それが、院内のコンビニです。
コンビニ内で大暴れするものだから、大騒動でした(笑)
病棟以外でのせん妄患者の対応をしたことが初めてだったので、あなたに共有したいと思います!
この記事を読めば、病棟以外でのせん妄患者への対処法の一例を知ることができます
せん妄とは
まず、せん妄についてです。
せん妄は,注意,認知,および意識レベルが急性かつ一過性に障害される病態で,その程度には変動がみられ,通常は可逆的である。ほぼ全ての疾患および薬剤が原因となりうる。診断は臨床的に行い,原因同定のために臨床検査と通常は画像検査を施行する。治療は原因の是正と支持療法である。
せん妄 – 07. 神経疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版 (msdmanuals.com)
少し難しいですね。
簡単に言うと、一時的な脳機能障害により意識障害が生じてしまうことです。
その意識障害というなかに、入院していることが分からなくなる、点滴を触る、勝手に帰ろうとする、など注意力や認知力が低下して症状がみられます。
現場の看護師の多くは、この意識障害による危険行動に悩まされています、、、
特に多いのは、入院中だと分からなくなり、自分で点滴の針を抜いて帰ろうとする。
それを止めに行くと、患者は知らない人が来たと思ってびっくりしてしまい、さらに興奮し暴言や暴力、転倒してしまう、などがよくありますね。
私の体験
私の所属のHCUとは、一般病棟では見れない急変リスクのある患者が多くいます。
そのため、患者がコンビニへ行くことなどほとんどありません。(基本みんな重要な点滴がついているため)
しかし、その日だけは違いました。
患者について
ある日の勤務で、せん妄リスクの高い患者がいました。(この時点では、せん妄症状か性格によるものかが分からなかったが、せん妄様の症状?はありました。)
性格は、自分の言うことが絶対であり、自覚症状がないため自分が入院している理由が分からず、自分勝手をする患者でした。
日勤終了前に、患者が「コンビニへ行って買い物をしてくる」と言いだしました。
安静度はベッドサイドまでしか自分では動いてはいけない指示があります。
看護師が何度説明してもコンビニへ行くの一点張り。
仕方がなく、医師へ安静の説明を依頼しました。
しかし医師の説明を受けても、「コンビニへ行く」からは変わらず、、、
そこで特別に看護師が付き添いのもと、短時間で買い物を行う条件でコンビニへ行く許可をもらいました。
いざ、コンビニへ
車いすでコンビニへ行くのですが、リーダー看護より「看護師1人でついて行くのは危険だから、あなたも後ろからそっとついていって」と言われました。
私は言われる通り、後ろに立ちコンビニまで付き添うことにしました。
コンビニへ着くと、いろんな商品をかごに入れ始めました。(そんなにお金は持っていません。)
そこで、そんなに多くは購入できないことを伝えると、患者の表情が一転しました。
「うるさいなあ、好きにさせろや!」とコンビニ内へ怒号が響きました。
そこからは車いすから降りようとしたり、商品を握りしめたりと興奮してきたので私も応援に入りました。
それでも無理やりに車いすから立ち上がろうとする。
転倒リスクも高い方だったので、危険と判断し2人で車いすから降りないよう抑えました。
すると患者は更に興奮し、「何様やねん!どけろや!誰か助けてくれ」
看護師として、患者の安全を守ることが一番なので手を離すことはできない。
すると、たまたまコンビニ内に警備員さんが買い物をしており、患者の話を聞いてくれました。
その間に私は病棟へ応援を要請。(暴れているため、病棟には患者が暴れているので応援に来てくださいとしか言えませんでした。)
患者はさらにヒートアップし、あたりは騒然。コンビニにいた医療者が手伝ってくれ、複数人で押さえつける形となりました。
そのまま5分程度経過すると、ついに応援が到着。
病棟の先輩たち
私は患者が暴れているため病棟には、「患者が暴れているので応援に来てください」としか言えませんでした。
しかし、先輩方は勤務終了間際であったため日勤メンバーみんなで応援に来てくれました。
さらにハロペリドール(興奮を抑える点滴)、体幹抑制セットまで準備している。
到着次第、先輩方はそれぞれ
- 患者の話を聞き、注意をそらせる。
- 患者にばれないようハロペリドールを患者に投与。(手落とし、15分間で落としきるもの)
- 素早く車いす用の体幹抑制を患者へ装着。
これをアイコンタクトで、役割分担して行っていました。
体幹抑制を行うことで転倒リスクを抑える。
そして話を傾聴して患者の気を引いている間に点滴を落としきる。
点滴が効いてくると少し落ち着いたので、そのタイミングでみんなで病棟へ戻りました。
結果的に、患者自身への危害を加えることなく安全にその場を過ごすことができました。
その後
私は応援の呼んだ際に、来てくださいとしか伝えられませんでした。
それでもなぜあそこまで準備ができていたのか、どのようなことを考えていたのかを先輩に聞いてみました。
「あなたは力が強いが、それでも応援を呼んだことからよほど暴れているのではないかと思ったよ。患者の性格上からもこちらの言うことは聞いてくれそうにない。さらにせん妄状態ならなおさらね。それを落ち着かせるには点滴を準備してその場で投与する必要があるかなって思ったよ。車いすでコンビニへいったことから、転落リスクもあったし体幹抑制をすることで転落も防げる。それで少し落ち着いたら病棟へ安全に帰れるかなと思った。」
この話を聞いて、先輩のアセスメントのすごさを改めて体感しました。
少しの言葉から状況を整理し、起こりえる可能性を考える。
それに対して対処できる準備をして応援に向かう。
私もそのような看護師になりたいなと思いました!
まとめ
患者と病棟を一緒に離れるときは、患者についてある程度把握しておきましょう!
特に急変リスクのある人や、トラブルを起こしそうな人は要注意です。
今回のように、トラブルが起こりそうな患者と病棟を離れる場合は、可能なら1人以上で対応する。
難しそうなら早めに応援を呼べるよう準備はしておく。
応援に行く場合は、せん妄で暴れているなら点滴や抑制準備(車いす)、看護師で対応できないと判断すれば警備員などにも連絡しましょう!
自分も患者も安全に守れるような看護師になりましょう!
せん妄について、他にも記事を書いているのでよかったら見てください。
ありがとうございました。
よんくれ
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