【ペースメーカーの基本について】分かりやすくまとめてみました!

ペースメーカーについて知りたい

ペースメーカーの設定が難しい

このような方に読んでもらいたいです。

どうも、新人看護師のよんくれです!

最近は大雨が重なると同時に蒸し暑くもなってきました。熱中症も増えてきているので体調には気をつけてくださいね。

私は夜勤の独り立ちが始まり、自立しないといけないことが増えてきてプレッシャーに押しつぶされそうです(笑)。

先日受け持ちでペースメーカーの方がいました。

そこでペースメーカーについて勉強したことを皆さんにもお伝えしたいと思います。

この記事を読むとペースメーカーについて簡単に理解することができます。

目次

ペースメーカーとは

ペースメーカーとは、心臓の電気信号を代わりに送り出してくれる機械です。そこでよく出る用語について確認しましょう。

ペーシング(pacing)

意味は「ペースを作る」ことです。洞結節や刺激伝導系で刺激が途絶えてしまうと、心筋がうまく収縮、拡張できません。そこでペースメーカーが代わりに刺激を出し、心筋の動きをサポートします。

センシング(sensing)

意味は「感知する」ことです。ペースメーカーを入れるとすべての電気信号を頼るわけではありません。自分の刺激が出せるのならそれで動く方が生理的でうまく収縮できます。その自分の脈(自己脈)があるかどうかを感知する機能がセンシングです。

また、ペースメーカーに頼らない方が電池の消耗を節約できるメリットもあります。

モードの文字がややこしい!

次はモード(設定)についてです。ほとんどは3つのアルファベットで表記されています。

最初の文字はペーシングをする場所、2文字目はセンシングをする場所、3文字目はセンシングをした結果どう対応するか、を表しています。

ペーシング部位  センシング部位      センシング後の対応

  A,V,D       A,V,D           I,T,D

A :心房 V:心室 D:両方 I:抑制 T;同期 D:両方

三文字目がややこしいですよね。自己脈を感知(センシング)をすると、ペーシングをしない方がいいのですが、刺激伝導系がうまく働いていない場合など最後まで伝わらないことがあります。そうすると収縮が悪くなり、心室から贈られる血液量が減少します。

そうならないよう、自己脈を活かしつつペーシングをして血行動態を保つのがT(同期)です。

各モードについて

ここからはよく使われるモードの説明をしていきます。

AAI

ペーシングもセンシングもすべて心房で行われ、自己脈を心房で確認できればペーシングを行わないです。

このモードは洞不全症候群(SSS)で心房ブロックがない場合に用いられます。洞結節が刺激を出せないため、まずセンシングを心房で行います。自己脈を感知しなければ心房でペーシングを行うと心室にも刺激が行き、収縮がうまく行えます。自己脈がある場合は抑制(I)するモードです。

適応疾患 :洞性徐脈、洞房ブロック、洞停止

波形:心房ペーシング波形のあと、PQRS波が来る。自己でP波が出たらペーシング波形はない

VVI

ペーシングもセンシングも心室で行われ、心室で自己脈を確認できればペーシングを行わないです。

このモードは脈性心房細動のように徐脈で心房をうまくペーシングできないケースや、体外式一時ペーシングで用いられます。

心室で自己脈を感知するとペーシングは抑制します。

適応疾患 :徐脈性心房細動

波形:ペーシング波形の後、下向きのQRS波が入る。刺激が心室まで届いたときはペーシングが入らず、上向きの波形が出る。

DDD

心房と心室の両方でペーシングとセンシングを行い、自己脈があれば抑制するときと同期(ペーシング)するときがある幅広いモード。

このモードは心房ブロック(AVB)に用いられる。刺激が房室結節で止まってしまうため、2本のリードでペーシングとセンシングを行います。

適応疾患 :Ⅰ度ブロック、Ⅱ度ブロック(ウェンケンバッハ、モビッツ)、完全房室ブロック,洞不全症候群(SSS)

波形

SSSなし、AVBあり: P波あり、その後ペーシング入ってQRS波

SSSあり、AVBなし:心房ペーシングあり、PQRS波

SSSあり、AVBあり:心房ペーシング後P波、心室ペーシング後QRS波

ペースメーカー埋め込み後の合併症

・感染

創部からの感染でペースメーカーを取り出さないといけなくなることもあるため注意が必要です。埋め込み部の疼痛、熱感、発赤、腫脹、膿の有無を観察しましょう。

抗菌薬や保清で感染を予防することができます。

・気胸、血胸、心タンポ

リード操作で肺を傷つけてしまい、気胸や血胸となる可能性があります。

気胸はリード挿入側の痛み、呼吸苦、SPO2低下がみられます。

血胸は痛み、出血によって動悸や頻脈、チアノーゼ。

心タンポはHR上昇、BP低下、冷感、QRS波が小さくなる

・リードの逸脱

術後は患側上肢を固定し、可動域制限を行います。

2か月程度は上司の挙上は禁止です。

・ペーシング不全

ペーシング波が出ているのに、PQRS波が出ていない状態のことです。これはペーシングする出力が低いか、心筋がペーシング刺激に慣れてきて反応しにくくなったことが原因です。

そのため、出力を上げることで対処できます。

・センシング不全

アンダーセンシング

自己脈を感知できず、刺激がないものとしてペーシングをしてしまうこと。自己脈とペーシングにより必要以上に頻脈となることがあります。

特に、自己脈を感知せずペーシングを行っていると、T波のタイミングでペーシングが入りspike on Tが生じ、VTやVFを引き起こすリスクがあります。

T波の上にはペーシングが入ってはいけないということですね。

センシング感度を上げることでアンダーセンシングは対処できます。

オーバーセンシング

体動のノイズまで拾ってしまい、ペーシングだと勘違いをすることでペーシングを打たなくなってしまうこと。そのため徐脈となる。

センシング感度を下げることで対処できます。

・ペースメーカー依存性頻拍(PMT)

心室から心房へ逆行性の伝導路を持っている場合、心室から心房へ、心房から寝室へと刺激が往復する形となり、頻脈となります。

さいごに

ペースメーカーについて少しは理解して頂けたでしょうか。

最近では、VVTという新しいモードが出てきました!(2022 5/24)

Tとは、不整脈に対してもペーシングを打ち血流を維持させるモードです。

これは最新なので、まだ調べてもあまり情報が載っていないです(笑)

これからも勉強して学んだことを皆さんに伝えていきたいです。

時間があるときにまた足を運んでください!

                                  よんくれ

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