【心不全療養指導士】試験に出た問題をまとめました②

心不全療養指導士の試験はどんな問題が出たの?

このような方に読んで頂きたいです。

どうも、2年目ナースのよんくれです!

前回、心不全療養指導士の試験について出題された問題をまとめました。

今回は、その続きを記載していきます!

試験に出た問題や、選択肢として出てきた問題もまとめるので、こんな感じの問題が出題されたんだと分かっていただけると嬉しいです。

心不全療養指導士認定試験ガイドブック改訂第2版に沿って解説していきます。

目次

第6章 心不全の治療

  • 心不全治療目標と治療方針についての問題(p82~)

心不全慢性期の治療目標は、生命予後改善心不全増悪による再入院の予防症状や生活の質(QOL)の改善突然死の予防に分けられる。

LVFEの低下した心不全で、生命予後も改善もしくは再入院イベント発生抑制効果が証明された薬剤。

β遮断薬

アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬

アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)

アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)

ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬

LVEFが保たれた心不全では予後改善の十分なエビデンスを有する薬剤はなく、うっ血に基づく症状改善や基礎心疾患や共存疾患の治療が中心。

  • β遮断薬についての問題(p83~)

β遮断薬はNYHA心機能分類Ⅰ度からⅣ度のすべての重症度のHFrEF患者に適応がある。頻脈性心房細動を伴う心不全の脈拍コントロール目的にも用いられる。

交感神経抑制による心筋収縮力の低下と徐拍化作用がある。

  • ACE阻害薬、ARB、ARNI、MRAについての問題(p85~)

ACE阻害薬はNYHA心機能分類Ⅰ度からⅣ度のすべての重症度のHFrEF患者に適応があり、予後改善効果がある。

ACE阻害薬はアンジオテンシンⅠを阻害することでアンジオテンシンⅡを抑制している。副作用は咳、低血圧、腎機能障害、高カリウム血症がある。

ACE阻害薬、ARB、MRAの3剤併用は高カリウム血症になるため併用は避ける。

ACE阻害薬やARBからARNIへ切り替える際には、症候性低血圧の出現に注意が必要。またACE阻害薬とARNIの併用は血管浮腫の可能性があるため禁忌。

  • 利尿薬についての問題(p87~)

フロセミドでは、低カリウム血症になる可能性がある。

  • SGLT2阻害薬についての問題(p89~)

副作用に起立性低血圧症状、全身倦怠感、血糖ケトアシドーシスによる腹痛、吐き気、嘔吐、尿路および性器感染症がある。

心不全治療薬を服用している患者が、性器感染症を発症しました。どの薬剤の影響でしょうか?のような問題が出てきてかなり悩みました(笑)

  • Ifチャネル阻害薬阻害薬についての問題(p89~)

洞調律で安静時心拍数が70拍/分以上の左室駆出率35%以下の心不全患者に対して使用する。

  • アミオダロンについての問題(p91~)

心不全に合併する心室頻拍や心室細動に対しては速やかに電気的除細動が行われるが、再発する重症心室性不整脈に対してはアミオダロンは即効性があり有効。2次予防目的に投与されるが、ICD適応がある場合はICDを優先する。

HFrEF症例の心房細動に対して、洞調律維持目的で投与される。また心房細動の脈拍コントロールに対して、β遮断薬などでコントロール困難な場合にアミオダロンを併用することがある。

  • 陽圧呼吸療法についての問題(p95〜)

CPAPは気道内に一定の陽圧を常時かけて、気道の閉塞を防ぐことで無呼吸を取り除く。閉塞型睡眠時無呼吸や中枢性無呼吸を合併した心不全では新機能改善効果が期待される。

ASVは患者の呼吸に合わせて吸気、呼気で機会が自動で圧を調節して空気を送り込み、無呼吸を取り除く。

  • 経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)についての問題(p100〜)

TAVIは従来の開胸手術が困難で重症大動脈弁狭窄症に対して開発された低侵襲な治療。

  • LVADについての問題(p103〜)

LVADは心尖部に脱血管、上行大動脈に送血管を吻合して、携帯型ポンプを用いて左室から血液を吸出し、上行大動脈に血液を送ることで左室の働きを補助する装置。保険適応は移植までのつなぎの治療のため移植登録が必要。最近はLVADを装着したまま人生を全うするという考え方も広まっている。

  • 糖尿病についての問題(p105〜)

低血糖を生じた場合には、交感神経賦活化などを介した心血管イベントの増加が報告されており、低血糖は避ける

  • CKDについての問題(p109〜)

ACE阻害薬やARBは、CKD症例において糸球体内圧の上昇を抑え腎障害の進行を抑制する腎保護効果を有している。このため可能な限り使用することが望ましい。

  • 貧血についての問題(p110〜)

心不全患者では急性期、慢性期のいずれも貧血を合併することが多い。

貧血改善のための鉄剤も心不全病態改善の明確なエビデンスはなく、長期投与による安全性の検討も十分に行われていないため、Hb値を改善するためだけの安易な鉄補充は推奨されない

エリスロポエチン製剤投与の合併症として血栓塞栓症がある。

  • 妊娠期についての問題(p116〜)

全身を巡る血液量は妊娠初期から中期に増加し、妊娠30週前後には非妊娠期の約1.5倍になる。分娩後、圧迫されていた下大静脈も解放されるため、静脈韓流が急激に増加する。そのため妊娠期の心不全は妊娠20〜30週と産後の2峰性に多い。

妊娠初期より末梢血管抵抗は低下する。また、凝固能の更新から深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症など血栓性合併症リスクが高まる。エストロゲンなどのホルモンの影響で大動脈癖は中膜の変性をきたし、大動脈解離のリスクが高まる。

第7章 心不全の療養指導

  • 指導の内容についての問題(p122〜)

心不全に関する知識の提供では、教育内容として心不全の定義心不全の原因心不全の症状心不全の病の軌跡についての項目を説明する。

感染により心不全は悪化する可能性があるため、感染予防行動の徹底やインフルエンザワクチン肺炎球菌ワクチンの摂取を推奨する。

  • 水分、塩分制限についての問題(p126~、p141~)

慢性心不全の患者には減塩目標を6g/日未満としている。

  • セルフモニタリングについての問題(p128~)

モニタリングが必要な項目は、体重血圧・脈拍心不全症状がある。

体重は、毎朝起床時、排尿後に測定することが理想。

血圧・脈拍は起床後1時間以内排尿後朝食前内服前の測定が理想。血圧計は上腕で測定するものを推奨する。

むくみは足のすねを指で10秒押し、その部分がへこんでいたらむくみがあると判断できる。

  • 患者手帳の活用法についての問題(p130~)

受診時に患者が持参し、その記録を医療者と共有する。測定結果を正しく解釈・評価し適切な行動につなげる必要がある。

  • 増悪時の対応についての問題(p132~)

すぐに受診が必要な状態は、急性呼吸不全・意識障害を伴う場合、安静時の栓不全症状・耐えがたい苦痛症状の出現。

  • 内服管理についての問題(p137~)

失念など、意図しない内服アドヒアランスの低下を防ぐためにも、内服管理方法を設定するうえで認知機能評価は必須。

  • 栄養管理についての問題(p139~、175〜)

適度な節酒として、1日平均純アルコールで約20g程度。

  • 心臓悪質液についての問題(p148~)

心臓悪質液とは、心不全患者が体重減少を認める病態。予後は極めて悪い。

  • 栄養アセスメントについての問題(p149~)

栄養アセスメントは、総合的に栄養状態を判断する。身体測定は簡便で非侵襲的な方法。

  • 慢性腎臓病の栄養に関する問題(p152~)

慢性腎臓病を有する患者には、蛋白制限が推奨される。3g/日未満の塩分制限は制限されていない。

  • 運動時間と頻度についての問題(p155~)

心不全患者に対する有酸素運動は、5~10分程度から開始し、徐々に目標の運動時間まで漸増させる。安定期では1日20~60分まで漸増する。運動頻度はNYHA心機能分類Ⅰ~Ⅱ度では5回/週まで。NYHA心機能分類Ⅲ度では3回/週程度が望ましい。レジスタンストレーニングは、週2~3回程度が推奨される。強度はBorg指数を使用する。

  • 禁煙支援についての問題(p165~)

加熱式たばこにもニコチンは含まれており、加熱式たばこへの変更が禁煙につながるわけではない。5Sアプローチのステップ2では禁煙を強く促す。

ニコチン依存症管理料が新設され、該当項目にすべて当てはまり、医師がニコチン依存の管理が必要と認めると禁煙外来を受診できる。

  • 活動についての問題(p171〜)

身体活動とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費するすべての動作のこと。それらは、日常生活における労働、家事、通勤、通学などの生活活動と、体力の維持・向上を目的とし、計画的・継続的に実施される運動の2つに分けられる。

  • 適切な入浴方法についての問題(p172〜)

お湯の温度:40〜41℃ 深さ:鎖骨下までの半座位浴 時間:10分以内

注意事項→二重不可を避ける、脱衣所・浴室を温める、入浴後は休息をとる

  • ソーシャルサポートについての問題(p178〜)

ソーシャルサポートとは、ソーシャルネットワークといった人間関係によりもたらされる援助のこと。

  • 抑うつスクリーニングについての問題(p181〜)

PHQ-2、PHQ-9を使用する。

自殺項目にチェックがついていると、慌てず自殺リスクを評価する。自殺リスクが高い場合は専門医に紹介する。

第8章 心不全ステージ別の療養指導の実際

  • ステージAに対する療養指導についての問題(p188~)

器質的心疾患のないステージのこと。心機能障害を呈する心疾患を発症するリスク因子を有しているが、器質的な心疾患がなく心不全症候も生じていない。

療養指導の目標は、リスク因子のコントロールと、器質的な変化を認めるようになるステージB、もしくは器質的変化及び心不全症状を認めるステージCへの移行を予防すること。

  • ステージBに対する療養指導についての問題(p190~)

器質的心疾患はあるが、心不全兆候の認めないステージのこと。心不全を発症させないことが最大の目標。

  • ステージCに対する療養指導についての問題(p192~)

器質的心疾患があり、心不全兆候を認めるステージ。

療養指導の目標は、治療や患者の療養行動により、心不全の再入院を予防すること、突然死を予防すること、症状コントロールやQOLを改善すること、ステージDへの移行を防ぐこと。

  • ステージDに対する療養指導についての問題(p195~)

有効性が確立しているあらゆる薬物治療・非物薬物治療について治療ないしは治療が考慮されたにもかかわらずNYHA心機能分類Ⅲ度より改善せず、おおむね年2回以上の心不全入院を繰り返すような進行した段階。

療養指導の目標は、病状進行に対するアセスメントを踏まえつつ、患者の病状理解を促す介入や増悪時の早期対処を含む症状緩和を目指すこと。緩和ケアやACP,終末期ケアをさらに重視する。病の軌跡を理解し、その時期に合わせて折り合いをつけ、全人的苦痛を可能な限り和らげる療養指導が必要。

  • 認知機能低下のある患者への対応についての問題(p198~)

認知機能低下の早期発見ツールとして有効なのはMMSEや改訂長谷川式スケールがある。

利点として、質問式で簡便に施行できる。トレーニングを受ければ医師以外のスタッフにも容易に実施でき検問者のばらつきが少なく再現性が高い。教育効果の及ばない一定の間隔をおいて実施すれば経時的に認知機能の推移が評価できる。

認知機能低下を呈する患者に接するうえでの心構え

①忘れて当たり前、間違って当たり前が前提

②子供扱いなど自尊心を気付つけるような接し方をしない

③失敗しても非を責めるような言動は厳に慎む

④行動がゆっくろだからといって急がせない

⑤できることはできるだけ自分でしてもらう

⑥患者が周囲に受け入れられるという感覚

⑦介護者が一人で負担を抱え込まないようにする

第10章 特殊な状況時の療養指導

  • 災害発生時についての問題(p209~)

ストレスだけでなく、定期内服薬が手元になく、内服できないことで血圧がさらに上昇したり、救助や片付けなどで過負荷となったり、避難所で睡眠障害など休息を取れないことなどが心不全増悪の原因となる。

第11章 心不全の緩和ケア

  • 心不全におけるACPについての問題(p214~)

ACPは「患者が自分で意思決定ができなくなった場合の将来的な医療について、医療・ケアチームろ患者、家族または代理意思決定で継続的に話し合う、患者及びケア提供者との間で行われる自発的なプロセス」

本人の価値観を第一に尊重すべく話し合う必要がある。

第12章 病院と在宅の連携

  • 福祉制度についての問題(p233~)

40歳で介護保険料の支払い義務が生じ、サービス利用は基本的に65歳以上である。また、40歳以上65歳未満の方も特定疾患に該当し、介護が必要となった場合に申告することで使用可能。特定疾患は16疾患が指定されるが心不全の病因となる疾患は含まれていない。

他にもサービスについての問題が出題されていましたが、内容を忘れてしまいました、、、

  • 家族・支援者への支援についての問題(p237~)

インフォーマルサービスは支援するうえで重要。

  • 多職種カンファレンスについての問題(p244~)

対面での実施が原則であるが、ビデオ通話が可能な機器をお用いて実施した場合でも算定可能。

まとめ

少し長くなりましたが、これが私の受けた試験範囲でした!

何となく、こんな問題が出ていたなってところをまとめるだけでも結構な量ですね、、、

少しでも試験勉強を行う方の手助けとなればうれしいです。

勉強は大変ですが、一緒に頑張りましょう!!!

ありがとうございました。

よんくれ

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