心不全療養指導士の試験問題はどんなものが出るの?
この記事はこのような悩みがある方に読んで頂きたいです。
どうも、2年目ナースのよんくれです!
12月19日に心不全療養指導士の試験がありました。
この資格は、心不全について詳しく学び、療養指導を実践するためのものです。(かなりざっくりしてます笑)
まだ新しい資格なので、今回で第3回目でした。
そのため過去問などもなく、どんな問題かあまり分からずに勉強法に悩みました、、、
この試験、意外と人気が出てきているんですよね。
この資格についてはこちらの記事にまとめてあります!
試験を受ける人が増えてきたからこそ、どんな問題が出たのか気になる人も多いと思います。
そこで、先日受けてきた試験問題について何を問われたのかについて、覚えている範囲でまとめてみました!(笑)
問題として聞かれたことだけでなく、回答の選択支にあった内容も記載するので、この範囲が出題されたんだ!とざっくり分かっていただけると嬉しいです。
範囲が多いため、何回かに分けて全範囲を紹介しようと思います!
第1章 心不全療養指導士の役割・機能
- 脳卒中と循環器病克服5カ年計画の5戦略はどれかを選ぶ問題。(p2)
5戦略→人材育成・医療体制の充実・登録事業の促進・予防、国民への啓発・臨床、基礎研究の強化
正直、こんなところも出るんだ!と思いました。(笑)
第2章 心不全の概念
- 心不全の診断法について選ぶ問題。(p8~)
心不全の診断には症状や兆候に加えて何らかの方法で心機能障害をとらえることが重要です。LVEFやBNPのみで心不全の有無を判断するべきではなく、総合的に見て判断する必要がある。
HFrEFはEF40%未満、HFpEFはEFが50%以上であることを知っているか。
- 心不全進展ステージについて正しいものを選ぶ問題。(p10~)
ステージAは器質的心疾患がないリスクステージ。心疾患を発症するリスク因子はあるが器質的心疾患がなく心不全兆候もない段階。
ステージBは器質的心疾患のあるリスクステージ。器質的心疾患を認めるが、心不全兆候が見られない心不全の前段階。
ステージC は心不全ステージ。器質的な心疾患を有し、既往を含めて心不全兆候を有する段階。
ステージD は治療抵抗性心不全ステージ。有効性が確立しているあらゆる薬物、非薬物治療について治療または考慮されたがNYHAⅢ度より改善せず、おおむね年2回以上の心不全入院を繰り返す進行した段階。
第3章 療養指導の基本
- 成人教育の特徴を選ぶ問題。(p14~)
教育には自己概念、レディネス、指向性、動機づけの側面がある。
経験はこれからの学習に役立つ資源と位置付けられている。
- 症状マネジメントについて選ぶ問題。(p15~)
症状とは、第三者が客観的にその有無を判断するのではなく、患者自身が体験するもの。
- ヘルスビリーフモデル、ヘルスリテラシーについて正しいものを選ぶ問題。(p16~)
ヘルスビリーフモデルは人間が健康に関連した行動をとるときに影響を及ぼす信念を、問題の起こりやすさ、問題の重大性、行動の利益、行動の障害の4つに整理している。
ヘルスリテラシーは機能的ヘルスリテラシー、伝達/相互作用的ヘルスリテラシー、批判的ヘルスリテラシーがある。
批判的ヘルスリテラシーは症状や兆候に気づき、意味づけ対応するプロセスのこと。
- 療養指導の評価の視点について問う問題(p20~)
効果的な療養指導を実施するためのシステムの評価として、療養指導の形態や多職種カンファレンスの評価があげられる。
第4章 心不全の予防活動
- ステージAに対する脂質管理について問う問題(p24~)
脂質管理においても、定期的な脂質異常の評価と共に、禁煙、適切な運動の継続、適切な食事、節酒が推奨されており、生活習慣の改善を目的とした指導が必要。
生活習慣の修正項目も選択肢にありました。
1 食塩制限6g/日未満
2 野菜、果物の積極的摂取、不飽和脂肪酸、コレステロールの摂取を抑える、多価不飽和脂肪酸、低脂肪乳製品の摂取
3 適正体重の維持:BMI(体重Kg÷身長㎡)25未満
4 運動療法:軽度有酸素運動を毎日30分または180分/週以上行う
5 節酒:エタノールとして男性20~30ml以下、女性10~20ml以下
6 禁煙
- ステージAに対しての指導について問う問題(p30~)
ステージAは個別指導より、集団指導で広く啓発することが望ましい。
第5章 心不全の診断、成因、検査
- 心電図に関する基礎的な問題(p35~)
P波は心房の興奮、QRSは心室の興奮を表しています。
- 前負荷、後負荷についての問題(p36~)
前負荷が増大することで後負荷も増大する。後負荷を下げると1回拍出量は減少する。
- 心拍数についての問題(p37~)
心拍出量=1回拍出量×心拍数のこと。高度頻脈になると、拡張する時間が無くなり1回拍出量は低下する。
- 1回拍出量についての問題(p37~)
EFが同じでも、左室拡張期径の違いや僧帽弁の逆流があると1回拍出量は変化する。
- 心拍出量の調節機能についての問題(p38~)
心拍出量が低下すると、交感神経が優位、レニンアンギオテンシン分泌、抗利尿ホルモン亢進、腎臓で水やナトリウムの再吸収亢進がみられる。
- 安定狭心症の症状についての問題(p40~)
同程度の労作で狭心痛が出現し、安静により数分で消失する。狭心痛は前胸部を中心に圧迫感、絞扼感、灼熱感などと表現される。頸部、顎関節や左肩などに放散する痛みを訴えることもある。硝酸薬が有効。
非発作時には心電図に特異的な所見は見られない。
- 心筋炎の症状についての問題(p46~)
心筋炎は感冒症状(発熱、倦怠感)や消化器症(下痢、嘔吐)に引き続いて数日の経過で心不全、不整脈(房室ブロック、心室頻拍、細動など)、心膜刺激による胸痛がみられる。
- アルコール性肝炎についての問題(p46~)
1日80~90gの純エタノールを5年以上摂取すると発症する。治療は禁酒が基本であり、少量でも飲酒により増悪する。
- サルコイドーシスについて、アミロイドーシスの内容を混ぜた問題(p47~)
サルコイドーシスは高度ブロック、心室性不整脈など重篤な不整脈を生じる可能性がある。対症療法やステイロイド治療を行う。
- 弁膜症の病態についての問題(p48~)
僧帽弁狭窄症はリウマチ熱による僧帽弁の癒合、石灰化が原因であり近年減少傾向であるが、高齢者や腎不全患者における高度僧帽弁輪石灰化から圧較差を生じるものが増加している。
大動脈弁閉鎖不全症は、大動脈の閉鎖が不完全なため拡張期に大動脈から左室に血液が逆流する。
- 心房細動の病態についての問題(p51~)
心房細動の治療にはレートコントロール(β遮断薬)とリズムコントロール(アミオダロン)がある。
- うっ血、低灌流の所見についての問題(p57~)
うっ血は起坐呼吸、経静脈圧の上昇、浮腫、食欲不振、便秘、体重増加など。
低灌流は小さい脈圧、四肢冷感、傾眠傾向、低Na血症、腎機能悪化、易疲労感、倦怠感、乏尿、記銘力低下など。
- NYHA心機能分類についての問題(p60~)
NYHAⅡ度は階段や坂道で症状が出るが、平地での歩行は問題ない。Ⅲ度は平地の歩行で症状が出る程度。
- 身体活動能力質問票についての問題(p60~)
安静座位にしている時の酸素消費量を1としてエネルギー消費量を算出したもの。
- レントゲンの肺血管陰影の評価法についての問題(p67)
肺胞性肺水腫が進行すると、胸水の貯留で肺野は真っ白になる。
- 心エコーでの心機能評価について(p70)
左室ポンプの指標としてLVEFが用いられる。
- 血液データについての問題(p76)
重症心不全の患者は、低ナトリウム血症になりやすい。
このブロックは、看護師をしているので知っていることが多かったのですが他の職種の方は少し難しいポイントだと思います。
しかし、心不全の病態を理解するためにはそれぞれの疾患について知っておく必要があるので頑張りましょう!
続く
いかがでしょうか。意外と簡単と思う人がいれば、難しいと思う人もいると思います。(私は後者でした笑)
再度お伝えしますが、このような感じで出題されたのであってこの問題が出た!というわけではないのでご了承ください。
心不全療養指導士ガイドブックを照らし合わせることで問題に出た範囲を確認できます。
ぜひ活用ください。
次回は第6章 心不全の治療からまとめていきます!
続きはこちら⇩
よんくれ
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