【意識レベル低下】急変時のアセスメントの1例を具体的に紹介します

急な意識レベルの低下が起きたとき、どのようなことが考えられる?

実際の急変がどのようなか感じなのか知りたい

この記事はこのような方に読んでもらいたいです。

どうも、2年目看護師のよんくれです。

この前、受け持ち患者が目の前で失神するという状況に出くわしました。

結果的には自然と回復し何も異常は見られなかったのですが、私は少し焦りました(笑)

たまたま先輩と一緒にいるときに急変したので先輩が主体で動いてくれたのですが、私には先輩がどのようにアセスメントをしたのか分かりませんでした。

そこで先輩からその状況でどのようにアセスメントをしたか教えてもらったので共有したいと思います!

この記事を読むと、急変時のアセスメント法の1例を知ることができます。

目次

急変が起こった事例紹介

私が受け持ったのは、徐脈による失神で入院された方。

現在は体外式ペースメーカーを挿入しており、HRが40以下になればペーシングが入る設定でした。既往歴に心筋梗塞あり。

HRは60台で期外収縮や心室期外収縮は見られていました。BP100台、SPO2:96%程度。

安静度はポータブルトイレまでは移動できるぐらい。

「お通じが出そう」と訴えがあったのでポータブルトイレを室内に持ってきて排泄してもらいました。

しかし、お通じは出ず。本人は「また出そうになったら言うね」と言いベッドへ横になりました。

横になると、急に目が何かおかしくなるような感じがありました。(言葉では難しいですが、急に焦点が合わない感じ)

私と先輩は「○○大丈夫ですか?」とか肩をゆするも反応なし。視線も合わず、オーダーも入らない。

先輩は橈骨動脈をさわり、私に血圧を測るよう指示。その後瞳孔を確認し、手を目の前で寸止めにする動作でまばたきがあるか確認しました。

脈拍40、オールペーシング波形、血圧50台、SPO2:94%

その後、私は医師を呼びに行き、医師到着時には意識レベル改善し血圧も改善していました。

結果的には、はっきり原因は分かりませんでしたが事なきを得ました。

先輩がおこなったアセスメント

先輩が意識レベルの低下があったとき、3種類の原因を考えていました。

1、ペースメーカーの位置がずれるなど心臓の拍出が弱くなることで血圧が下がり、脳虚血となった

2、体内にある血栓が脳に飛ぶことで脳梗塞を起こした

3、排便後の迷走神経反射が起こった

それぞれについて解説します。

脳虚血

体外式ペースメーカーはリードの先端が心臓内に埋め込まれているわけではないため、何かのはずみで先端が心臓から離れたり、位置がずれてうまくペーシングが入らなくなることがあります。

(リードは電気信号を送る同線で、リードの先端から電気を送り心臓を動かしています)

排便時にトイレへ移動したことでリードの位置のずれを疑いましたが、意識レベルが低下したときはHR40オールペーシングであったため、ペースメーカーは正常に作動していました。そのため、リードの位置の変化ではなさそう。

ペースメーカー事態のペーシングに問題があることも考えたが、ペーシング波形の後にQRS波が出ている。ペーシング不全だとペーシングの後にQRS波はついてこないため、ペーシングは正常。

しかしHR60→40に変動したことで心臓の拍出回数が減少し、血圧が低下していました。測定値では50台でしたがすぐに橈骨動脈が触れた。SPO2もそこまで低下がみられず、圧波形も出ていた。そのため一過性の脳虚血による意識レベル低下は考えられる。

(橈骨動脈は血圧が80台を下回ると触れにくくなる)

結果的にはすぐに意識レベルも回復したので、何らかの原因で心拍数が減少したことから血圧が低下し一過性脳虚血はあり得る。

脳梗塞

もともと心房期外収縮心室期外収縮があった患者。

不整脈があると、血流の流れが悪くなり体内に血栓ができやすくなる。体動によりその血栓が脳に飛ぶことで脳梗塞を疑った。

確かに視線は合わなかったが、手を目元で寸止めにするとまばたきはした。(瞬目反射あり。)

そのため脳幹は正常に働いている。瞳孔をライトで確認すると収縮が見られ、対光反射もあった。

そのことから重大な脳梗塞まではなっていないと判断した。もちろん梗塞部位によってはこれだけでは評価できないが、急変時の判断としてはこれぐらいでも十分だと思います。

迷走神経反射

迷走神経反射とは、簡単に言うと副交感神経が過度に優位になって徐脈や血圧低下が起きます。

緊張やストレスなどにより誘発されることがあり、現場では排便時や排便後によく見ることがあります。

今回も排便後であったため、迷走神経反射による徐脈、血圧低下も十分考えられます。

迷走神経反射は自然と元に戻るので安静にすることが一番です。

最悪の事態を想定することが大切

先輩は一瞬の間でこのようなアセスメントをしていました。

先輩にアセスメントで重要なことを聞くと

「急変時は最悪の事態を予想する。そして所見からその中の候補をつぶしていく。その間に意識が回復すればいいし、最悪の所見がなければそれを医師に伝えることはできる」

と教えてもらいました。

この状況の場合。最悪の状態はペースメーカーの問題と脳梗塞です。

その所見を瞬時に見分けて、その危険性が少ないことを医師に伝えることは大切だと実感しました。

まとめ

急変にはちょくちょく当たるのですが、私が最近できるようになったことは血圧を測ることと救急カートを持ってくるぐらいです。笑

でも、本当に急変時は何も動けなかったので少しは成長してると思ってます。

先輩の教えから、急変時は橈骨動脈でいち早く血圧を確認する。

意識がないときは脳梗塞も疑い瞳孔の確認をおこない、瞬目反射もみる。

また、最悪の事態を想定してその所見があるかどうか確認していくことを学びました。

これはできるか分かりませんが、橈骨動脈や瞳孔確認ならできると思うので次回からは実践したいと思います!

この記事を読んで、急変時のアセスメントのイメージができ、仕事に活用してもらえたらうれしいです。

ありがとうございました。

よんくれ

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