【物品配置の重要性】看護の現場で大切にしたい、患者さんへの細やかな配慮について

物品の配置って、そんなに大切なの?
物品の配置の重要性を知りたい!

あなたは、物品の配置について気にしたことはありますか?

特に新人のうちは、仕事を覚えることや業務に集中しがちで、つい物品の配置を疎かにしてしまうことがあります。

しかし、物品の置き方ひとつが患者さんや家族に 不快感を与えたり、信頼関係を損ねたりする こともあります。

特にICUのような繊細な環境では、ちょっとした配慮が患者さんや家族の心に大きく影響を与えることも、、、 

この記事では、私がICUで体験した新人看護師の物品配置の失敗例を通して、その重要性と実践ポイントをわかりやすくお伝えします

この記事を読めば、
患者さんへの配慮ができる「思いやりのある看護師」に一歩近づけるはずです!

この記事からわかること

・物品配置の重要性
・実践するときのポイント

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目次

配慮が欠けていた物品配置の場面

私がICUで勤務していたときのことです。

お正月、くも膜下出血で挿管中の患者さんを新人さんと一緒に担当しました。

その患者さんは脳予後が悪く、意識が回復する見込みは低い状態。

そんな状況でも、お正月の雰囲気を少しでも楽しんでもらおうと、家族さんが鏡餅や門松の飾りをサイドテーブルに飾っていました。

その日、新人さんに清拭の準備をお願いしていたのですが、患者さんのベッドサイドに行くと、 お正月飾りが置いてあるサイドテーブルにオムツや陰洗ボトルが一緒に置かれていた のです、、、

私が感じた違和感

家族が心を込めて用意したお正月飾りの隣に、不潔な物品が置かれている光景を見た私は、

え、、、

と驚き、違和感を覚えました。

これは、患者さんや家族への敬意が欠けている行動ではないのかな、、、

もし、家族さんが心を込めて飾ったものの隣に不潔な物品が置かれているのを見たら、どう思うでしょうか?

なぜ新人さんはこうした行動を取ったのか?

新人さんに理由を聞いてみたところ、

「患者さんのベッド上には置けないため、他に置く場所がなかった」
「記録を進めたかったので、置きやすいところに物品を置いた」

という回答でした。

確かに、物品を患者さんのベッドの上に置くのはよくありません。

また、空いた時間を有効に使う姿勢は大事です。

しかし、患者さんや家族の視点を考慮すると、この対応は適切ではなかったと言えます。

なぜこの行動に私は違和感を感じたのか?

今回の場面では、テーブルの上に物品を置いただけで、患者さんや家族さんに影響があったわけではありません。

しかし、ここで考えてほしいのは、患者さんや家族さんがどう感じるかです。

患者さんや家族の視点からこの状況を見ると、どう感じると思いますか?

患者さん:意識がなくても、「生活スペース」としてサイドテーブルが清潔に保たれていることは大切です。もし意識があれば、不潔物を近くに置かれることに強い不快感を覚えるでしょう。

家族さん:せっかく飾ったものの隣に不潔物が置かれると、「看護師が雑に扱っている」と感じ、不信感を持つかもしれません。

これらのことから、今回の行動は
患者さんへの敬意を欠く行為であり、家族さんへの配慮も不足していた
と考えられます。

物品配置の配慮や工夫が生むメリット

今回の場面では、物品配置の配慮ができていませんでしたが、これを実践することで、どんなメリットがあるでしょうか?

物品配置の配慮や工夫をすることで、次のようなメリットが得られると考えます。

患者さんとの関係が良くなる

配慮のある行動は、患者さんの信頼につながります。

信頼関係ができると、日々の業務がスムーズに進み、患者さんも治療に協力的になります。

私の体験として、ナースコール対応が遅くなってしまったときも、笑って許してくる患者さんが増えた気がします(笑)

 業務が効率的に進む

物品を処置の流れに合わせて配置すれば、処置中に物品を探す手間が省けます。

たとえば、オムツ交換中に必要な物品が手の届く範囲にあれば、無駄な動きを減らせます。

ICUだと、中心静脈カテーテルの挿入など処置物品が多く、医師と連携しないといけない場面が多いです。

必要な物品を必要なタイミングで渡すことは、処置をスムーズに進めるうえでは重要です。

まとめると、
看護師としてはスムーズに業務を実施でき、患者さんは気持ちよく、もしくは苦痛を最小限に看護を受けられるのです

物品配置における6つのポイント

さいごに実践で活用できる、物品配置におけるポイントを6つにまとめました。

1. 物品を置く前に状況を観察する

2.不潔と清潔を分ける

3. 患者さんや家族さんの目線で考える 

4.物品を置く位置をあらかじめ考えておく

5.患者さんのスペースを「生活空間」として扱う

6.処置後の確認を忘れない

    これらについて、1つずつ解説します!

    1.物品を置く前に状況を観察する

    サイドテーブルや周囲に特別な飾りや持ち物がないかを確認しましょう。

    これにより、家族の意向を汲み取ることができます。

    2.不潔と清潔を分ける

    不潔物(オムツ、陰洗ボトル)は、生活スペースから離れた場所に配置することを徹底しましょう。

    これにより、衛生面だけでなく、心理的な配慮も示せます。

    3.患者さんや家族さんの目線で考える

    「これを見たらどう感じるだろう?」という視点を持つことで、自然と丁寧な物品配置ができます。

    4.物品を置く位置をあらかじめ考えておく

    処置の流れをシミュレーションして、必要な物品をどこに配置するか計画しておくと、効率的かつ配慮ある配置が可能です。

    5.患者さんのスペースを「生活空間」として扱う

    ベッド周りやサイドテーブルは患者さんの「家」のようなものです。

    看護師がそこで行動する際には敬意を持ちましょう。

    6.終了後の確認を忘れない

    処置後、物品が元通り整然と配置されているか確認することで、患者さんや家族に安心感を与えられます。

    これらは、どれか一つずつでも意識することで、現状の認識から少しずつ変化があると思います!

    そのため、自分にできそうなものを取り入れてみて下さい!

    まとめ

    物品配置への配慮は、患者さんや家族への敬意を示す基本的な行動です。

    この記事では、ICUでの具体的な失敗例を通して、物品配置の重要性と実践のポイントを紹介しました。

    新人看護師が陥りがちな「業務優先」の姿勢では、不注意が思わぬ信頼の損失につながることもあります。

    特に患者さんのベッド周りは、彼らの「生活空間」として扱うべき場所です。

    また、家族が心を込めて用意した飾りの隣に不潔物を置く行為は、意図せずとも不快感を与え、信頼関係を損なうリスクがあるので注意しましょう!

    物品配置を工夫することには、多くのメリットがあり、患者さんや家族の安心感を高めるだけでなく、業務効率の向上にもつながります。

    以下の6つのポイントを意識することで、さらに効果的な配慮が可能です。

    1. 物品を置く前に状況を観察する
    2. 不潔と清潔を分ける
    3. 患者さんや家族さんの目線で考える
    4. 物品を置く位置をあらかじめ考えておく
    5. 患者さんのスペースを「生活空間」として扱う
    6. 処置後の確認を忘れない

    これらの取り組みを通じて、患者さんや家族に寄り添う「思いやりのある看護」を実践してみてください!

    ありがとうございました!

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